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第16話

『 君となら・・・』151〜fin.
『 君となら・・・』

☆★vo.151★☆


電話が鳴った。


〇:もしもし…


里依紗からだったが、テンションが上がるわけがない。
低〜い声しか出なかった。


里:ね〜〇〇、聞いて!
明日、早く行かなきゃだから、開場前から行くよ!
〇:でも…私、明日行きたくない…
里:えーーーッ!ダメダメダメダメ!
絶対ダメーーーッ!!!
〇:なに?なんかあったの?
里:いいから!
〇:開場前って…高校野球の第1試合で並んでる人いないよ〜
里:一番乗りするの!絶対 イイ席 取るんだから!!!
〇:生徒の応援席だよ…イイ席なんて無いよ〜
里依紗、いつから野球に興味持ったの?
アーッ!!!もしかして!お目当ての男子いるのっ?!!!
てか、それは許さないよ!シゲはどうするのよっ!!!
里:アホ。シゲの病気が移ったのか!
〇:だよね。でも…行きたくない。
里:何かあったの?
〇:うん…真弓ちゃんがね、望とキスしたって。
里:なぁ〜んだ、それね。
〇:えっ?知ってるの?
里:とにかく!明日、早いから!
絶対に、行かなきゃダメだからね!!!


里依紗は、私の話しもろくに聞かず、電話を切った。



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☆★vo.152★☆

試合当日。
行きたくないのに、朝早いって、不幸過ぎる〜!

そう思いながら、重〜い重〜い足を引きずり向かった。

着いたらもう、浜高の生徒達は入場していて、私は最後の方だった。

里依紗に怒られるなぁ…

そう思いながらも、急ぐ気にはなれなかった。


里:席 取っといたから!行くよ!
〇:あっ、おはよ…


里依紗は私を見つけると、手を取り スタスタと歩いた。
そして、応援席のド真ん中の席に座った。


〇:なんで、ココなの?
里:はいコレ!バチコーイ!


黄色いメガホンを渡された。

なんで里依紗、そんな気合い入ってるの?
もぉ〜ワケわかんない!


〇:私、隅からそっと、見ていたいんだけど…
里:ツベコベ言わないの!
ほらあそこ!望とシゲいたよ!(笑)


学ランに、赤のハチマキ、白い手袋、そして リーゼント風の髪。
まさに応援団員だった。


〇:望…かっ…こ…いい…な…


自然と言葉が出た。
フワリと風が吹き、応援旗を大きくはためかせた。



••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.153★☆


ウゥゥゥーーーッ!


試合開始のサイレンと共に、エール交換が始まった。

エール交換。
私はこれが、好きだった。
日本らしい奥ゆかしさ、義理、もてなし。
私はこの時間に浸っていた。
遠くにいる、望を見つめながら。

応援が始まると、真弓ちゃんの姿を見つけた。
彼女もまた、遠くから望を見つめていた。



試合は0-0のまま、9回表が始まろうとしていた。
相手守備の間に応援団員の立ち位置が変更された。

えっ?待って…なんで?

応援団長に代わり、望が応援団員の真ん中にきた。


9回裏、攻撃が始まると、望が声を上げた。


望:フレーーーーーェ!
フレーーーーーェ!
は・ま・こ・うッ!!!


なんで?
望、、、私を見てる…


風になびいたハチマキの先が、スローモーションのように見えた。


望は、私から目を逸らさなかった。
もう それだけで、私は泣きそうだった。


その時、カキーン!!!
レフトへのイイ当たり!


吹奏楽の演奏が始まり、手拍子。
そして、みんな盛り上がってきた!


私は戸惑いながら、その間も ずっと、望と見つめ合っていた。

まるで、ふたりだけ、別の空間に存在しているかのように…


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☆★vo.154★☆


暑い暑い陽射しに照らされて、少し赤く焼けた頬が なんだか可愛らしくて、でも、真っ直ぐに私を見つめる眼差しが たくましくて、その何もかもが…






好きだった…






望の全てが好き!
そう思った瞬間、涙が溢れてきた。



次の応援がなかなか始まらず、みんなが望に注目した。

そして、目線の先の泣いてる私にも、注目が集まった。


しばらく…沈黙だった。


応援団長は頭の後ろに手をあてた格好で、微動だにしなかった。


望を信じて。


望、、、
言わなくても分かる。
私達は、同じ想いでいる。



こんな大舞台を借りなくても〜(笑)


〇:あはははっ!(笑)もぉ〜アホ!////////!
望:(笑)!////////!


それは久しぶりの、チョットはにかんだ キラキラの笑顔だった。


重:イェーーーーーーイッ!!!


「ウォーーーーーッ!!!」


シゲの謎の雄叫びに、なぜかみんな盛り上がり声をあげた(笑)

そして、望はまた応援を始めた。
スゴくキラキラしていて、スゴくカッコ良くて、ずっと見ていたかった。



その日、私は心に決めたんだ。
あのキラキラの笑顔を、ずっと見続けようと。



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☆★vo.155★☆


試合直後。
里依紗と私は、シゲに指定された場所で、ふたりを待っていた。

それぞれ、『お疲れポカリ』を買って。

ふたりはスグに来た。
しかも、スゴいスピードで!

私は、望が来てくれただけで、また泣きそうだった。


〇:は、はいコレ。お疲れポカ…


えっ!////////!


望は、差し出した手を引っ張って、私を抱き寄せた。





望:好きや。




我慢していた涙が溢れた。

嬉しすぎて、苦しかった。


〇:うん。大好き…


私は、望の肩に埋めながら、そう伝えた。


望:来てくれて 良かった。
〇:やっぱり…望を見たかったから。
望:ありがとう。

重:あのぉ〜いつまで抱き合っとるんかなぁ〜
早よ戻らんと、また団長に怒鳴られるで〜



私達は、ゆっくり離れ…笑い合った。




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☆★vo.156★☆

〜重要伏線①〜

試合前日。


中:望〜理科室まで来てくれ。
望:はい。

重:ふたりだけにして、大丈夫やろかぁ?
里:やばいかもね。
重:後 つけよか?
里:おけ。

中:これ。〇〇にも渡したから。
望:・・・・・
中:はっきり言って、お前に〇〇を任せたくはない。
でも、〇〇が行く気なら、お前にも渡すって約束してもうたから。
お前が行かないって言うんなら、〇〇は俺がもらう。
その為なら、先生 辞めてもええって思っとるからな。
望:っ!!!

(⬇︎コッソリ聞き耳してるふたり)
重:淳太…本気や…
里:そこまでとは…
重:なんや、淳太の割にはカッコええな。
里:うん。割にはね。





〜重要伏線②〜

試合前日 昼休み、最後の練習。


真:望くん、行こ!
重:あっ!待って〜


エレベーター前。


真:重岡くんは、階段ね〜
重:えぇーッ!!!
真:団長に言われてるでしょ!体力付けなさいって!
重:分かりやした〜


エレベーターの中。


真:明日、頑張ってね!見守ってるから!
望:・・・・・
真:好きだよ!チュッ!
望:っ!!!へっ?!!!


一階、エレベーター前。(⬅︎シゲはここで待ってる)

チンッ!


真:あっ、トイレ行ってくるから、重岡くんお願いね〜
重:あ、うん。

真:ルンッルンッ♪

重:なんやアレ?スキップしとるで?
望:・・・・・
重:ん?望〜?大丈夫かぁ〜??
望:ぅえ"え"ぇ"ぇ"ぇ"ーーーーーッ!!!
重:ど、ど、ど、ど、どないしたん?
望:ありえへん!!!ありえへん!!!
重:な、なにがや?
望:イヤイヤイヤイヤ!
はっ!!!奪われたーッ!!!
重:う、う、奪われたぁーッ???
望:おん。何なんだアレーッ?!!!
重:望?話せてんな!!!
望:おんっ!!!話すで!!!




〇:へぇ〜!その、①と②の刺激で、
望は目が覚めたってワケか〜(笑)
里:笑えるでしょ?!
でも、その後が大変だったよ〜





〜重要伏線③〜

望:〇〇に、なんて言おう…
重:奪われたって言えばええんちゃう?
望:ちゃうわーッ!そんな事やないーーッ!!!
ホンマに好きやって伝えたいッ!ねんッ!!!


望:お願いします!!!
団長:バカか!応援を告白に使うな!!!
てか、お前、話せるのか?
重:ちゃいますねん!コレコレこういう事情がありますのや。
団長:望を抜擢したのは俺だからな…うまくいくって断言できるか?
望:はい。自信だけはあります!!!
団長:分かった。なら、協力する。

重:もしもし里依紗?
コレコレこういう事情で、明日頼むわ〜
里:マジで?!やったじゃん!超〜嬉しいんだけど〜!!!
分かった!任せといて!!!


••••••••••••︎•••••••••••••︎

☆★vo.157★☆


〇:だから、真弓ちゃんがキスしたのも知ってたのか〜
里:そうなの〜。ねぇ、〇〇?私はぶっちゃけ、マジ嬉しいんだよ。望とまた仲良くなってくれて。
〇:うん。
里:でも、付き合うって事には、ならないんだよね?
〇:うん…
里:そっか…
〇:ごめんね。
里:やだ〜謝る事じゃないよ〜
大丈夫!私、〇〇の事が大好きだから!(笑)


藤:望と仲直りできて、良かったな(笑)
〇:うん。
藤:夏休みさ〜、いっぱい会いたいな。
〇:うん!
藤:計画立てような。
〇:うん!
藤:俺も、W大…頑張ってみよっかな〜
〇:えっ!!!ホントに?
藤:おん…俺かて〇〇と一緒に学校で過ごしたりしたいから…
っ!!!


私は嬉しくて、流星に抱きついた。


たまに、思うんだ。
教室で、みんなで笑い会ってる時、流星もいたらなぁ〜って。






私達は、このまま、この関係のままで幸せだった。


この先、大人になっていき、環境が変わり、色んな変化があって、いつか答えが出る時がくると、みんな知っていた…


それでも、幸せだったんだ。













「大好きだ」と、言葉にして言えるから。






☆★おっしまい!★☆