第12話

入浴後の冷たいもんは格別だよね
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2021/04/24 15:00
あの騒ぎの中早め早めにと食事を済ませた隊士達は自室に戻り



食堂内の人影もまばらになって行った



山崎
「副長!旦那!早く食べないと味噌汁が冷めちまいますよ!」



銀時
「あぁそうだな…食べねぇとあなたに怒られるもんな…
まじで怖ぇんだぜ?あいつ
あんなもんじゃねぇっての…」



土方
「はぁ?あんなもんじゃねぇってなんだよ
怖ぇよ…」



銀時
「あいつにはもっとやばい地雷があんだよ
まじであれは死を覚悟したなぁ…アハハ…」



土方
「あれってなんだよ…」



『なぁはよ食べてくれん?
片付けたいんやけど』



入浴後のデザートにとゼリーを作っていたあなたは固めるために冷蔵庫に入れ、小声で話す2人に声をかける



銀時
「あ…わ、悪ぃ
残したら勿体ないもんな」



土方
「お、おう…」



2人は立ち上がり



銀時は先程座っていた席に戻り



土方はお盆を持って銀時と離れた席に座る



あなたは隊士達の使った食器を洗っていた



その時ある1人の男の奇怪な行動を見逃しはしなかった



すぐさま持っていたお椀をまっすぐその男へと投げつける



『ごらぁっ!!!』



「ブフゥッ!!」



『おい…てめぇ…何しやがんだ…』



「それはこっちのセリf…!!」



あなたは水道の水を止め包丁立てから1本の包丁を持ちユラユラとその男の向かいへと向かう



俯いたまま男の前に立つ



銀時
「あ〜あ…
地雷、踏んじゃったぁ…」



「お、おい…!」



『おい…土方…今何やった…』



土方
「な…何って…」



その男の名は土方十四郎だった



一口も味見をすることも無く唐揚げや味噌汁にマヨネーズをぶっかけたのだ



『何やったって聞いとるんや…』



土方
「マ、マヨネーズを…かけてました…」



長い前髪の間から怒りの色に染まった目が覗く



土方
「ヒッ…」



山崎
「あなたさん!包丁はっ!ッ…!」



近寄ろうとする山崎に刃を向けギロリと睨む



『うっせぇ…外野は黙ってろ…』



山崎
「はっ!はいぃ!!」



すっかり腰の抜けた山崎は尻を滑らせながら後ずさる



『なぁ…土方…何が不満だ』



ドォン!!!!



勢いよく机に包丁を突き立てる



土方
「ッ…ごっごめ…」



『ごめんで済んだら警察なんか要らねぇんだよ』



『何が不満か言えよ』



『"どこの女か知らない奴"が作った飯は食えへん言うんか?あ"?』



地の底からうごめき聞こえるような声で土方を問い詰める



土方
「いや…ちが…」



『じゃあなんや…』



土方
「ッ…」



『うちはな食事の邪魔されんのも大っ嫌いやけどな
もっと嫌いなんは…』





『うちが作ったもんにあれやこれやと勝手に味付けしてく奴やっ!!!』



『つまり土方…あんたの事や』



『次やったら命は無いと思えよクソ野郎』



土方
「は…はぃ…」



ザッと音を立てて机に刺さった包丁を抜き厨房に戻っていく



『やっべ欠けとらんよな…』



そんな小言をつぶやくあなたを見て土方はこう思うのだった



怒らせたら殺させる!!




…と





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銀時
「あなた、ご馳走さん」



『んー。またなんかあったら連絡してなぁ
いつでも作ったるさかい!』



新八
「ご馳走様でした!」



神楽
「姉貴…ごめんなさいアル…」



『ええよええよ
次はやめてな?』



神楽
「!うん!」



銀時
「あなた、明日万事屋に来い
良い事教えてやる」



『良い事?』



銀時
「明日のお楽しみな」



『期待せんとくわ』



銀時
「はいはい
じゃあな」



『んー。』








入浴後の隊士達に振る舞わられたゼリーは大盛況だったとさ




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え?あの後土方はどうしたかって?



えぇ〜




しーらねっ!!!













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