5月5日早朝 快晴
「ん〜」
布団を捲りあげ起き上がる
多少の尿意を感じ厠へと向かう
…
いつもならもう既に起きた野郎共とすれ違うはずの廊下に自分しかいない
早く起きすぎたかと思ったが部屋の時計ではいつもと変わらない時間だったことを思い出す
多少の違和感を感じながら用を足す
手を洗い厠から出ると
いつも通り寝坊常習犯の部屋へ向かう
「お〜い総悟ぉおきろ…」
部屋はもぬけの殻だった
変な夢でも見てるんじゃないかと他の部屋も見て回るがどの部屋にも野郎は居なかった
普段から朝早くに起きて飯を作っているあいつならもう食堂にいるだろうと食堂へと向かう
食堂の扉にある小窓から中の様子を覗こうと思ったが何故か暖簾がかかっており覗くことが出来なかった
「…」
扉に手を掛け扉を開ける
「なぁ…」
パンッ!パパンッ!!
すると目の前にはニコニコと笑いながらクラッカーを放つ野郎共がいた
「「「副長/トシ/土方(さん)!!!」」」
「「「ハッピーバースデー!!!!」」」
「は…」
突然のことに驚きを隠せない
さらにはマヨネーズを腕いっぱいに持ってこっちを見ているあなたがいた
『何固まっとんねん』
「ゆ…夢だよな…ちょっと寝てくる」
『いやいやいや!待たんかい!』
『何言うてるん?夢とちゃうで?』
「夢じゃない…だと…?」
『え…何あんた寝ぼけとるん?』
近藤
「トシ大丈夫か?」
沖田
「土方さんひとつ歳とっただけで大分老化が進みやしたか?」
「あ?うるせぇよ」
『あ、これ皆からの誕生日プレゼントな』
「お、おう…」
1人1本ずつの市販のマヨネーズ達だった
『んで、これはうちから…
手作りでマヨネーズ作ってみたんやけど、どれが好きなんか分からんかったさかい10種類ぐらい作ってまったわ』
「…のか」
『あ?なんやって?』
「本当にこれ貰って良いのか?」
『あぁ…いらんかったんか
んじゃこれは全部うちが預かるでな』
「お、おい!」
『あ?いらんかったんとちゃうんか』
「いる!いります!」
『なんやねん
要るんなら貰って良いのかなんて聞くんやないわ』
「わ、悪ぃ」
『じゃあ朝飯にすんでぇ!
解散!』
散り散りになり朝飯を盛り付けていく隊士達
『あ、せや土方ぁ!』
「なんだ?」
『今日だけはマヨネーズ解禁したるわ
ただし今日だ!け!やでな』
「!」
するとすぐさま懐からマヨネーズを取り出し全ての料理にマヨネーズをぶっかける
『えぇ…あいつマヨ持っとらんと死ぬんか?』
山崎
「あはは…巡回中もよく吸ってますよ」
『うげぇ…無理やわ』
そしていつも通りの朝を迎える
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銀時
「あ、裏切り者の土方君だぁ」
土方
「あ"?裏切りも何もお前と組んだ覚えはねぇよ」
『えぇひどい…うちらの仲を忘れたんか…』
土方
「は?なんの話だよ」
『ねぇ…銀ちゃん…土方がぁ…ウッ…ヒック…』
銀時
「土方ぁ!なぁにあなたを泣かせてんだよ!酷いだろ!!?」
土方
「え…いや、俺はなんにも知らねぇよ!こいつが勝手に…!」
銀時
「裏切ってあなた泣かせて何が楽しいわけ?
それに何も知らねぇだぁ!?ふざけるのも大概にしろよ!」
土方
「お、おい!万事屋!マジで俺何かしたか?」
銀時
「え?自分が犯した罪もわかってないの?
無いわぁ」
土方
「罪…?」
『うちと…ヒック 銀ちゃんを置いて…先に28歳になりやがって…27歳組でよろしくねって言うたのに…ウッ…』
銀時
「そうだぞ!勝手に27歳組抜けやがって!!」
土方
「27歳組?俺そんなの入った覚えねぇよ!?」
銀時
「お前…それを覚えてないとは言わせねぇぞ!!
前話の始めの方に俺ら3人が27歳組として括られていたことを!!」
土方
「はぁ?」
『これを見ればわかるやろ…!』
前話スクショ↓
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。