第77話

鬼の副長…鬼の…ふくちょ…?
913
2021/09/22 15:00


どうもこんにちは一応真選組の女中兼零番隊の隊長やらせてもらってます緒方あなたと言います



まぁまじで一応なんでほぼ自分の意思やないんで…



それより最近土方の様子がおかしすぎるんやけど…





浪士と相対した日にはボロボロになって帰ってきたし



ある一定の時間になると何かを思い出したように部屋に走っていってテレビにかぶりつくように見とるし



朝礼の時には変な着信音と共に来た電話に出とるし



皆が道場の更衣室でジャンプ読んでたら マガジン派の土方が ["ToLOVEる"っていいよね]って言って単行本まで買いに行ったらしいけどうちは断然 暗殺教室 だろって思った(作者が好きなジャンプの中で最古のもの)



それにこの間は洗濯物を干しに行こうと縁側を歩いとったら



土方
「緒方氏 緒方氏!」



『…は?』



土方
「この資料なんだが…」



そう何事も無かったかのように話す土方



熱でもあるのかと思いおでこに手を当てたが熱は無かった



土方
「?なんだ」



『あ?いや…別に』



土方
「なんだよ」






思い返せば様子がおかしいのはあの人が来てからだ





__________




近藤
「遅いなトシの奴
もうとっくに時間はすぎてるぞ」



会議開始予定の時間から10分程過ぎても未だに現れない土方



近藤
「大事な会議だというのに…」



伊東
「近藤さん」

「いい機会だ
僕は丁度彼のことを議題に出すつもりでいた」



メガネを中指でクイッと上げ話を続ける



伊東
「最近の彼の行動については既に諸君もきき及んでいるだろう」

「自ら隊士達に局中法度という厳しい規律を課しながら
彼はこれらを破ること十数度
現に今も重役会議に遅刻するという失態を犯している」

「これを野放しにしていては隊士達に示しがつかない」



近藤
「先生待ってくれ
トシのことだ何か並々ならぬ事情があって遅れて…」



伊東
「僕は今回の件のことだけを言っているのではない」

「勿論 彼がこれまで真選組でどれだけの功績を上げてきたか
彼なしでは今の真選組はありえなかったことも 重々 承知している」

「だからこそあえて苦言を呈したい」

「真選組の象徴ともいうべき彼が隊士達の手本とならずにどうする
彼が法度を軽んずれば しぜん 隊士達もそれに倣う
規律を失った軍郎は烏合の衆と成り果てる」

「彼にこそ厳しい処罰が必要なのだ!」

「近藤さん!ここは英断を!!」



そう意気揚々に演説をする伊東



近藤
「待ってくれ!トシは必ず来…」



ガシャァァ



すると襖が勢いよく開け放たれた



近藤
「トッ…」



土方
「ちゃーす!!」

「焼きそばパン買ってきたス!!沖田先輩!!」



そう言ってゼーゼー言いながら焼きそばパンを片手に掲げる土方



土方
「すいません
ジャンプなかったんでマガジン…」



一気に静まり返る会議室



沖田と伊東は土方の様子を見て怪しい笑みを浮かべていた



『…』



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