第25話

兄の背中を見て妹はそれを追いかける
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2021/05/26 15:00
攘夷時代



目の前に立ちはだかる天人達



「この軍勢では一体どれだけ残るか…」



先程の争いで軍を半分にまで減らしてしまった桂達




「そうだなここは一旦引いて援軍を呼ぼう」




「行くぞ濶殿、あなた」



『ええ、どうする?濶兄ぃ』




「あなたが決めてええよぉ」



『ホンマ?じゃあ…ははっ
あんたらは下がっててええよ』




「何を言う!!」



「あの大群を!?無理ですよ!」



『うっせぇなぁ…下がれや。』



あなたの呆れた鋭い目にたじろぐ男達




「あっは☆あなたはこうでなくっちゃぁ!」

「逃げるんなら逃げろ
腰抜け共が」



『濶兄ぃ行くで』




「おう!」




「おい!貴様ら!」



桂が背後で叫ぶのを無視し大群に向かって走っていく



こちらは2人



あっちは約100



かなり不利な状況だった



だがこの兄妹には関係の無い話だった



妹は敵の攻撃を難なく交し素早く懐に入り首の頸動脈を掻っ切り



敵の体を踏み台にして腰まで伸びた長い髪をなびかせながら敵の頭上を舞うように次から次へと狩っていく




兄は敵の攻撃を交し敵同士が相打ちになる形で敵を倒して行く



敵軍に突っ込んで行った兄妹は5分も経たないうちに敵を倒し



敵の返り血で真っ赤に染まって帰ってきた




「あっはァ雑魚やったなぁ」



『濶兄ぃこれ天人の血やんな
髪にべったりやし口ん中入ったおぇぇ…』




「あなたは天人大っ嫌いやもんなぁ」



そう笑いながらあなたに水の入った水筒を渡す




「き、貴様ら…」




「ありゃ、援軍呼びに行ったんやないかいな」



『濶兄ぃ援軍なんて必要無いて!
うちらで殺ってまったんやもん!』




「せやったなぁ!あっはは☆」




「お主ら…やはり…」




「小太郎くん"やはり…"なんや?」




「いや…」



『いっやぁちぃとだけやけど向こうにおった時の鬱憤が晴れた気ぃするわ』




「せやなぁあなたずうっと殺りたい殺りたい言うとったもんなぁ」




「やはり摂津の鬼神というのは伊達じゃないようだな」



『「あっはは☆」』



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ちなみにこれはあなたちゃんの初陣です



それまではずっと父と給仕係をしていました





あなたちゃんは相手の懐深くに入って首を斬る戦法です



短刀だとどうしても間合いが近くなってしまうので素早く間合いに入る必要があります



また身軽なのでアクロバットも得意です






濶兄ぃは敵同士を相打ちにさせる戦法でギリギリまで引っ張っていいタイミングのところで避ける戦法です



一応刀を使いますがほんと危ない時だけです






兄妹でタッグを組むと



兄がギリギリまで引っ張ってタイミングを見計らって妹が首を斬り倒れた所を敵同士で相討ちさせます



つまり兄が囮になって妹が首の斬って致命傷を与え
敵同士でトドメを刺させるように動いています




濶兄ぃのイメ画と設定

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