第10話

美味そうに食べる奴に悪い奴は居ない
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2021/04/19 15:00

ぐぅ〜



神楽
「いい匂いするアル〜
お腹空いたアル」



『もう少しやで〜』



神楽
「何が出来たアルか!?」



『今日は唐揚げや』



神楽
「唐揚げ?唐揚げって何アルカ!?」



『え、神楽ちゃん、唐揚げ食べた事無いん?』



神楽
「銀ちゃんが食べさせてくれないネ」



『銀ちゃぁん?』



銀時
「そんな美味いもんは俺らには必要ありません!」



『意味わからんわ』



新八
「え!これ全部手作りですか!?」



『せやで〜!うちの得意料理や!』



新八
「美味しそうですね!」



『味には自信あんでぇ!』



すると食堂の扉が開き隊士達が入ってくる



隊士。
「あ〜腹減ったぁ〜」



隊士、
「うわぁ〜いい匂いするなぁ〜」



『全部盛り付けてあるさかい、そっから取ってってな!』



隊士達
「「は、はいっ!」」



白く丸い皿に盛られた刻みキャベツ



その横に添えられたミニトマト



キャベツの上には私が主役ですと言わんばかりに乗せられた唐揚げ



お椀に注がれた味噌汁



その横にはホクホクに炊き上がった白飯



まるで定食屋の唐揚げ定食だった



隊士"
「なんかすげぇ定食屋のメニューみてぇ」



『そりゃそうや
うち元々定食屋やっとんたんやもん』



隊士。
「そうなんすか!?」



隊士"
「うまそ〜」





次々に食堂へと入ってくる隊士達



皆口々に「美味そう!」などと言葉を零し



お盆を持って席につく





銀時の隣に座ったあなたは山盛りに盛られた茶碗を片手に持ち唐揚げと味噌汁と交互に口へ放り込んでいく



銀時
「お前の大食いは相変わらずなのな」



『体質はそう簡単に変わるもんやないで』

『てか、神楽ちゃんの方こそ…』



銀時を挟んで隣に座る神楽はあなたのよりも盛られた茶碗、いやどんぶりにかぶりついていた



銀時
「こいつ夜兎っつー天人でよ胃袋底無しなんだよ」



『え…天人なん…?』



銀時
「あ…お前天人嫌いなんだっけ」



『うん…』



神楽
「ゴックン…姉貴…天人嫌いアルか?私の事も嫌いアルか?」



頬に米粒をつけ瞳をうるうるさせてあなたを見つめる神楽にあなたは言葉に詰まらせる



『…天人は嫌いや、地球を我が物顔で歩きよる
やけど、神楽ちゃんは好きやで!可愛いし、何より美味しそうに食べよるもん』



神楽
「ほんとアルか?」



『おん!好きやで!』



神楽
「私も姉貴も姉貴が作ったご飯も大好きアル!」



『ほんまぁ!?嬉しいわぁ!』



銀時
「お前の基準は飯なのな」



『そりゃぁ、飯を美味しそうに食べる奴に悪い奴はおらんって言うやろ?』



銀時
「知らねぇよ」



『言うんです』



銀時
「あーそうかい」


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