第18話

お詫びするならそれ相応の態度をとるべし
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2021/05/09 15:00
近藤
「あなたさん、今あなたさんに会いたいとおっしゃってる方が来ているんだが会ってくれないか?」



『え?』



近藤
「なんかお詫びだとか何とか…」



『お詫びってうちがされたいんはあんたらだけやねんけど』



近藤
「ヴッ…ま、まあ会ってくれないか」



『まあええよ
で、誰なん?』



近藤
「松平片栗虎
警視庁長官だ」



『は?』



近藤
「松平のとっつぁんがどうしても会いたいって言うからぁ」



『うん…誰。』






その後どうしても会いたいって言うからとその松平さん?の居る部屋へ案内された



近藤
「とっつぁん、連れてきました」



『し、失礼します』



そこにはいかにも偉そうなサングラスを掛けたおじさんがいた



松平
「おぉー!嬢ちゃぁん!あんたが緒方あなたっつぅこいつらのお世話係かぁ!」



『え、まぁ…はい』



松平の言う"お世話係"にちょっと気になったが敢えてスルーをする



松平
「突然ごめんねぇ!この間ここにいる馬鹿どもが迷惑かけたらしくてなぁ」



松平の座る後ろには土方と沖田の姿があった



松平
「そのお詫びにほれ」



そう言って懐から箱を取り出す



『え…これって…』



松平
「上物の出刃包丁だ」



『っ!!?』



すぐ外箱を取り外し中の包丁を取り出す



『うっわぁ…これ、もろてもええんですか!?』



松平
「いいのいいのぉ!こいつらが迷惑かけてるお詫びだよ」



『すごい切れ味良さそうですね』



松平
「腕っ節のある刀匠に打ってもらったんだ
切れ味抜群なはずだぁ」



『これで色んなもん裁けるわぁ…』



松平
「お嬢ちゃんに気に入って貰えたようでおじさん嬉しぃっ!」



土方
((おい総悟、今こいつ"さばける"って言ったか?))



沖田
((言いやした
"さばける"は"さばける"でも魚を捌く方じゃなくて罪を裁く方でしたねィ))



土方
((こいつこれで俺ら殺すつもりじゃねぇよな!?))



沖田
((じゃあ俺が殺されそうになった時は土方さんを盾にしまさァ))



土方
((はぁ!?ふざけんじゃねぇ!じゃあ俺が殺されそうになった時はお前も道連れにしてやるよ!!!))



包丁を眺めていたあなたは2人の様子にニィッと口角を上げた



土方·沖田
「「っ…!」」



松平
「それにしてもお嬢ちゃん、噂には聞いてたけど別嬪さんだねぇ」



『勘弁して欲しいわぁ別嬪さんなんて
そんなに褒めても何も出やしまへんで?』



松平
「いやいやこいつらも言ってたんだよ」

「料理は美味いし家事洗濯は完璧でまるで隙がない」

「でも料理の事となると人が変わったようで怒らせると殺されるんじゃねぇかって頭があがらないってな」

「こんな短期間で野郎共を手駒にするたぁ対した嬢ちゃんだ」



そう言いながらあなたに近付く松平



『ほぉ…そんな事言うてたんですか』

『まあでも男を黙らせるんは昔から得意やったんですよ』



得意気に話すあなたの背後に回った松平はあなたの肩に手を回す



『っ…』



次の瞬間、あなたは松平の手を取り背負い投げる



近藤·土方·沖田
「「「とっつぁん!!??」」」



土方
「お、おい!何してんだ!」



『はぁはぁ…』



あなたの額に冷や汗が伝う



近藤
「あなたさん…?」



『はぁはぁっ』



土方
「お、おい…お前…」



『はぁはぁはぁはぁっ』



沖田
「ね、姐さん!?」



『ゴホッゴホッガハッはぁはぁ…』



あなたは咳き込みうずくまってしまう



駆け寄る3人



そして床に延びた松平



そこに物音を聞きつけた山崎が走ってくる



山崎
「なんの音ですかぁ!?」

「っ!とっつぁん!?」

「あれ、姐さんまで…!!」



山崎
「姐さん!?どうしたんですか!?」



上司よりも先にあなたを心配する山崎



『はぁはぁ…』



土方に背中をさすられ落ち着いてきたあなたはやっとの事で口を開く



『っ…ごめっ…ゴホッゴホッ!』



土方
「おい、あんま無理すんな」



山崎
「ど、どどどどうしたんすかっ!?」



沖田
「山崎うるせぇ」



山崎
「はっはい…」



『はぁ…ウッ…クッ…はぁ…はぁ…』



山崎
「どうしたんですか…?」



土方
「俺達もわからん
ただとっつぁんを背負い投げしてそしたら急に…」



山崎
「え…背負い投げって
背負い投げぇぇ~!(IKKO風)ってですか?」



土方
「あぁ、」



『ガハッ…ゴホッゴホッ!』



山崎
「!!」



沖田
「姐さん、とりあえず部屋に戻りやしょう」



コクンと頷く



『っごめ…立て…へん…わ…ぁ…』



土方
「っ…しょうがねぇな」



そう言ってあなたを抱き上げる土方



『ぎ…ちゃ…ん…』



真っ赤な目元から一筋涙が零れる



そのまま目を閉じ眠ってしまった



土方
「…万事屋じゃなくて悪いな」








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それでは聞いてください



未公開の下書きが7月18日更新分までかけました(笑)



でも更新速度は変えないつもりでいるのでよろしくお願いします。



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