第19話

外ズラだけで判断すると痛い目見る
1,825
2021/05/11 15:00

あなたside__________


松平
「いやいやこいつらも言ってたんだよ」

「料理は美味いし家事洗濯は完璧でまるで隙がない」

「でも料理の事となると人が変わったようで怒らせると殺されるんじゃねぇかって頭があがらないってな」

「こんな短期間で野郎共を手駒にするたぁ対した嬢ちゃんだ」



こちらにゆっくりと近づいてくる松平



気立ては良さそうなおじ様だ



手ぇ出してくる事は無さそうだ




『ほぉ…そんな事言うてたんですか』

『まあでも男を黙らせるんは昔から得意やったんですよ』



胸を張り自慢げに話す



すると気がついた時には松平の姿は真横にあり肩にするっと手が回っていた



『っ…』



目の前が真っ白になった



気持ち悪い



〔お嬢ちゃん、1人ぃ?〕



気持ち悪い



〔こらぁお嬢ちゃんの兄貴かなぁ〕



気持ち悪い



〔兄妹揃ってここで死になぁ!〕



気がついた時には松平を投げ飛ばしていた



『はぁはぁ…』



額に嫌な汗が伝う



近藤
「あなたさん…?」


自分を心配しているのか声をかける近藤


『はぁはぁっ』


呼吸が出来ない


土方
「お、おい…お前…」


『はぁはぁはぁはぁっ』


前が見えない


沖田
「ね、姐さん!?」


『ゴホッゴホッガハッはぁはぁっ』


体が言うことを聞かない




3人の影がこちらにやってくる



-こいつらは…敵…?



-いや、味方さ



山崎
「なんの音ですかぁ!?」

「っ!とっつぁん!?」

「あれ、姐さんまで…!!」



山崎
「姐さん!?どうしたんですか!?」



頭に響く声



たが優しく背中をさすられている



『はぁはぁ…』



少しだけ落ち着いてきた



『っ…ごめっ…ゴホッゴホッ』



やはりダメだった



土方
「おい、あんまり無理すんな」



きつい口調だが優しい声



山崎
「ど、どどどどうしたんすかっ!?」



やはり響く…



沖田
「山崎うるせぇ」



山崎
「はっはい…」



『はぁ…ウッ…クッ…はぁ…はぁ…』



あまりのつらさに涙が零れる



山崎
「どうしたんですか…?」



土方
「俺達もわからん
ただとっつぁんを背負い投げしてそしたら急に…」



山崎
「え…背負い投げって
背負い投げぇぇ~!(IKKO風)ってですか?」



土方
「あぁ、」



コソコソ話す声も耳に届いたら全部が頭に響いていく感覚がする



『ガハッ…ゴホッゴホッ!』



山崎
「!!」



沖田
「姐さん、とりあえず部屋に戻りやしょう」



優しく問う声に頷いて答える



足に力を入れようとしたが思うように力が入らない



『っごめ…立て…へん…わ…ぁ…』



「っ…しょうがねぇな」



文句を言いながらも自分を抱き上げるその面影に懐かしく感じる



『ぎ…ちゃ…ん』



そこで意識を手放した

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