第83話

昔の仲間は今日の敵
877
2021/10/04 15:00
沖田と息を合わせ伊東派の隊士達を次々に葬っていく



『あ"〜やっぱりもっと広々動けやんと本気出せやへんなァ』



沖田
「何言ってるんでさァ…
姐さんまだ無傷でしょう…」



そう言って腕を抑えフラ付きながら立つ沖田



対してあなたは返り血で真っ赤に染まっているだけだった



『まァねっ!』



そう言って前方の扉を蹴り飛ばす



その扉はちょうど外の神楽に襲いかかろうとしていた浪士に当たり



そのまま浪士達の乗った車へと激突する



『やっほ〜』



銀時
「あなた!!」



沖田
「近藤さん
さっさとこっちへ移ってくだせェ」

「ちぃと働き過ぎちまった
残業代でますよねコレ」



土方
「総悟!!」

「俺が是が非でも勘定方にかけ合ってやる」



電車とパトカーの間で橋渡しになった土方が苦しそうに話す



沖田
「そいつぁいいや」

「ついでに伊東やつの始末も頼みまさァ
俺ァちょいと疲れちまったもんで」

「土方さん 少しでも送れとったら俺がアンタを殺しますぜ
今度弱み見せたらァ 次こそ副長の座ァ 俺がいただきますよ」



そういう沖田の足元には土方がいた



土方
「土方 ここォォォォ!!」





銀時
「おいあなた
てめぇは大丈夫なのか」



『へーきへーき
伊東あいつ うちの秘密握ったぐらいで舐めた真似しよってよォ
ちょいと気ぃ立っとるだけや』



銀時
「あ〜あ怒らせちまったなァ」



『んなこたァどーでもええねん
とりあえず近藤さん はようこっち移りや』



近藤
「待ってくれトシを置いて俺だけ逃げろというのか!!」



土方
「そこで もめんなァァ!!」



相も変わらず橋渡しにされる土方



銀時
「モタモタしてんじゃねーよ」

「さっさと… !」



ガシャン



そこへ河上の乗ったバイクが銀時へと突っ込んでいく



振るい落とされてしまった銀時



『銀ちゃんっ!!』



すると次の瞬間先頭車両が減速しパトカーがメキメキと潰れていく



土方
「潰されるぅぅ!!」



『しゃあなし…行くか…』



そう言って屋根へと上がり電車から飛び降りる



銀時の元へ向かおうとするあなたに1人の男が襲いかかる



咄嗟に交わし相手との距離をとる



頬の一本の切り傷から赤い液体が垂れていた



『クッソ…誰や…』



砂煙が晴れその姿を現す



「覚えてないですか? 私ですよ私
あの日あなたに盛大に振られた山縣やまがた有哉ゆうやです」



『山縣…有哉…てアンタ 晋ちゃんの…!』



山縣
「そうです 晋助さんが率いる鬼兵隊にいたあなたが去っていく日に告白して気持ちよく振ったあの野郎ですよ」

「10年もの月日が経ってようやく会えたと思ったら今度は敵側とは…
やっぱりあなたはどう転がっても"裏切り者"なのですね」



『ふっ…
その"裏切り者"にアンタは惚れたんやろ
後悔なんかしたって今更遅いでなァ』



山縣
「生憎 後悔など微塵もありません
私はあなたの自分の道を真っ直ぐに進んで行くところに惚れたんだ」



『へ〜え
そして今度はその惚れた女を斬ろうってか
生憎うちはあんたになんて微塵も興味なんかあらへん
今はあの子らのところで自分の道進ませて貰うわ』



山縣
「そうですか…残念です」

「本当に残念です…
もうあなたの居場所はとうにないというのに…」



『は…』



ドォォォン



あなたの背後で響く爆発音



『…なっ!!』



山縣
「安心してください
あなたが目の仇にしていた伊東も真選組もろとも消えますから」



____________________



プリ小説オーディオドラマ