第81話

味方についた覚えはあらへん
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2021/09/30 15:00
『へぇ…アンタらの敵は二人しかおらんって?
数え間違いしとるんやない?』



後方の扉が開き扉の前にいた隊士が膝から崩れ落ちる



伊東
「…やはりあなたはこちらを寝返りますか」



『あっはは☆
いつ うちがアンタについた
寝返るも何もアンタらの味方についた覚えはあらへん
アンタらの敵はうちも合わせて三人や』



伊東
「ククク
自分の事よりこんなちっぽけな組織を優先しましたか」



『自分の事ぐらい自分でどうにかできる
他人…それもアンタらみたいなクソ野郎共にどうこうされるよりはマシや
存外 この真選組っちゅう組織を気に入ってしもてな
うちが作ったもんを美味そうに食って
たまにバカやって またバカやって』

『そういう組織の方がうちは好きやねん』



そこへ沖田が戻ってくる



沖田
「あり 姐さんも伊東派で?」



『んなわけあるかいな
こんな男の組織になんかおりた無いわ』



沖田
「そうですかィ
安心しやした」



伊東
「君たちは近藤を逃がし たった二人で敵陣に残り 討ち死にする事で悲壮美にでもひたろうというのかね
だが残念だったな」

「近藤は僕の計画通り」

「死ぬ」

「この戦場にあるのは僕達だけではない」



電車と併走するバイクを先頭にした車の集団があった



沖田
「…鬼兵隊か」

「ワリーね伊東さん」

「実は俺達も二人じゃねェ」




『そろそろ奴等が来る頃や』



鬼兵隊の走る背後に一発の砲弾が放たれる



沖田
「おーきたきた」



『バカ共のお出ましや』



鬼兵隊後方に一台のパトカーに乗った四人の影



伊東
「あ…あれは
バカな…あれは」



パトカーの上に刀を突き立てタバコをくわえた土方の姿があった



銀時
「御用改めであるぅぅぅ!!
てめーらァァァ 神妙にお縄につきやがれ!!」



そこには真選組の隊服を着た万事屋一家の姿もあった



伊東
「ひっ…土方ァァァァァ!!
なっ…何故…奴がこんな所に…」



カッコつけていた土方だが木に顎をぶつけ元に戻ってしまった



その土方に喝を入れる銀時



沖田
「…チッ 目障りなのがゾロゾロと」



『せやけど…』



座席の上を飛び移り沖田の隣に降り立つ



『あの子ら潰すには軍隊一つあっても足らへんやろ?』



沖田
「フッ…そうですねィ」



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