第35話

空っぽの頭はどう足掻いたって空っぽのまま
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2021/06/21 15:00
ガチャン



「あれ?」



「ふざけやがって死ねェェ!!」



残党が銃を構え打とうとしたその瞬間



ドン



後ろの扉が開きそれにぶつかって倒れてしまう



「あ〜気持ち悪いの〜」

「酔い止め飲んでくるの忘れたきーアッハッハッハッ」



扉から定春に噛み付かれた男が顔を出す



「あり?何?」

「なんぞあったがかー?」



神楽
「定春ぅ!!」

「このヤロー定春ば帰すぜよォォ!!」



そう言って男を蹴り飛ばす



神楽
「定春!」

「定春よかったヨ〜
ヨーシヨーシ」



定春を撫で回す神楽の奥で倒れる男に銀時とあなたは見覚えがあった



銀時·あなた
「『こっ…こいつァ』」



新八
「銀さんあなたさん知り合い?」



すると次の瞬間




ドドォン



「うわァァァ爆発だァァ!!」



「大変だァァァ操舵室で爆発がァ!!」



「操縦士達も全員負傷!!」



「フフ終わりだよお前ら
天人に迎合する売国奴どもなど皆死ねばよい…」




ゴゴゴゴゴと音を立てながら傾く船



「キャアアアア!!」



「どなたか宇宙船の操縦の経験のある方はいらっしゃいませんか!?」



「もうホント誰でもいいから助けてェェェ!!」



「『!!』」



その瞬間銀時とあなたは倒れた男の頭を掴み操縦室へ向かって走り出す



「イタタタタタ!!何じゃー!!」



操縦室から溢れ出る煙と人影に逆らって走る3人



「誰じゃー!?
ワシをどこに連れていくがか?」



『あんた確か船大好きやったよな?』



銀時
「操縦くらいできるだろ!!」



「なんじゃ?おんしら何でそげな事知っちょうか?」

「あり?どっかで見た…」



「おおおお!!
金時にあなたじゃなかか!!」

「おんしらなぜこんな所におるかァ!?」

「久しぶりじゃのー金時!あなた!」

「珍しいとこで会うたもんじゃ!こりゃめでたい!
2人一緒におるっちゅうことはやはり夫婦めおとになっちょったがか!!
酒じゃー!酒を用意せい!」



ダゴン



操縦室の扉を開けるキーに頭を勢いよく打ち付ける



銀時
「銀時だろーがよォ銀時!」



『だぁれがこんなクソ天パと夫婦めおとになるかぁ!』



銀時
「あなたちゃぁん?照れなくても良いんだよぉ?」



『誰が照れるかクソがっ!!』



銀時
「酷いっ!」



「あちこちで誘爆が起きちゅー
船に爆弾しかけるなんぞどーかしとーど」



新八
「銀さん!あなたさん!
ヤバイですよみんな念仏唱え出してます」



『心配いらへんよ
あいつに任せときゃ…』



銀時
「昔の馴染みでな頭はカラだが無類の船好き
銀河を股にかけて飛び回ってる奴だ…」

「坂本辰馬にとっちゃ船動かすなんざ自分の手足動かすようなモンよ」



坂本
「…よーし 準備万端じゃ」

「行くぜよ!」



そう言って構えた坂本の手にはパイロットの足が握られていた



新八
「ホントだ頭カラだ…」



銀時
「おーいもう一発行くか?」



『なんならもう二発行ったろか?』



坂本
「アッハッハッハッ!
こんなデカイ船動かすん初めてじゃき勝手がわからんち」



坂本
「舵はどこにあるぜよ?」



新八
「これじゃねーことだけは確かだよ!」



神楽
「銀ちゃん姉貴ィコレは?」



そう言ってパイロットの腕を掴む神楽



新八
「パイロットから頭離せェェェ!!
スイマセンパイロットさん」



ゴゴゴゴ



銀時
「オイオイヤベーぞ!
なんかどっかの星に落ちかけてるってオイ!」



新八
「銀さんコレッスよコレ!」

「ふんぐぐぐ!
アレ!?ビクともしない!!」



坂本
「ボクでかしたあとはワシに任せ…うェぶ!」



新八
「ギャー!!こっちくんな」

「アンタ船好きじゃなかったの!?
思いっきり船酔いしてんじゃないスか!!」



坂本
「イヤ 船は好きじゃけれども船に弱くての〜」



新八
「何その複雑な愛憎模様!?」



神楽
「新八 もういいから私に任すヨ!!
私文集に将来の夢パイロット書いたヨ」



銀時
「オメーはひっこんでろもういい俺がやる!
普通免許もってっからこんなモン原チャリと同じだろ」



『うちやって力には自信あんねん!
うちに開けられん瓶は無い、うちに回せん舵は無い!!』



新八
「いやッスよアンタらに命預けてたら何回転生しても足りねーよ!」



坂本
「オウオウ!
素人がそんなモンさわっちゃいかんぜよ」

「このパターンは四人がいがみ合ううちに舵がポッキリっちゅ〜パターンじゃ」

「それだけは阻止せねばいかん!」



そう言って歩みを進める坂本だったが足元の瓦礫につまづき、咄嗟に舵を掴む



どさ



坂本が舵を掴んだことによって根元から折れてしまった



坂本
「アッハッハッハッそーゆーパターンできたか!
どうしようハッハッハッ!!」



銀時
「アッハッハッハッじゃねーよ!
あ"あ"あ"あ"あ"!!」



『こんっの!ポジティブクソ天パァ"ァ"ァ"ァ"』



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