第14話

女の企みを男共はまだ知らない
2,196
2021/04/28 15:00
結局夕飯の時間には話す事が出来なかった



厠から帰ってきたあいつには誰かしらが近くに居て楽しそうに笑っていた



しかも野郎共は知ってか知らずか俺から離れた席にあいつを誘う



最終的には俺の近くに居た隊士にまだ謝ってないのかと哀れみの目を向けられた



土方
「クッソ…」



風呂から上がり食堂の前を通ると中から光が漏れていた



小窓から覗くと中にはメガネを掛けノートに向かっているあいつがいた



あれが近藤さんが言っていたノートだろう



気づかれぬようそっと扉を開ける



集中しているのかこちらに気がつく様子は無くノートとにらめっこをしている



土方
「…」



『なんや』



土方
「…気がついてたのか」



『まぁ扉の前から覗いとるくらいから』



土方
「はじめからかよ…」



『んでなんか用?』



メガネを外しノートを閉じてこっちに体を向ける



土方
「いや…」



『用があるから入ってきたんとちゃうんか』



土方
「…悪かった…この間の事」



『あ〜マヨネーズかけた事?
まぁ…ええよ
うちも頭に血ぃ昇ってまって…悪かったな』



土方
「いや…」



『せやけど、ホンマムカついた
自分が作ったもんを台無しにされた気分やったわ』



土方
「悪い…」



『もうええねん』

『せや、聞いたんやけどあんたがよく行く定食屋で土方スペシャルとか言う奴をいつも食うとるんやって?』



土方
「だ、誰に…はっ!万事屋か…!」



『そうそう銀ちゃん
よく鉢合わせる言うてたで
その度に喧嘩する言うて女将さんが笑っとったけどな』



土方
「あいつ…余計なもん教えてんじゃねぇよ
つか、食ったのか?」



『食ったで?
銀ちゃん隣で気色悪いもん食うとったけど牛丼·親子丼·カツ丼を1杯ずつ
美味かったわぁ〜』



土方
「どんぶり3杯は食いすぎだろ…」



『せや、今度その土方スペシャルご馳走してや
どんなもんか食ってみたいわ』



ニカッと笑うあなたに心が高鳴る



土方
「ま、マジでか」



『マジマジ』



土方
「明日非番なんだ明日でもいいか」



『ええでうちはいつでもここにおるさかい』



土方
「ほんとか!?」



『ホンマホンマ…』

『で…そこにおるお二人さん
盗み聞きは楽しいか?』



土方
「あ?」



沖田
「あり、バレちまいました?」



近藤
「俺たち一言も喋ってないのにぃ」



『気配でなんとなくな』



土方
「今の話どこから聞いてた」



沖田
「土方さんが中に入ってく所からでさァ」



土方
「最初からかよ」



『最初っから聞いとったんなら話が早い
あんたらも行くよな明日』



近藤 沖田
「「え?」」



『あんたらも土方スペシャル食いに行くよな』



そうニコニコと笑うあなたの目は笑っていなかった



近藤
「い、いやぁ…明日は俺仕事だし…」



沖田
「俺も用事があるんで…」



土方
「明日は2人とも非番のはずだ」



『じゃあ行けるよな』



近藤·沖田
「ッ…!」



あなたの鋭い目線に2人は言葉が詰まる



『じゃ決定!明日の10時ぐらいに屯所前な』



ノートを手にとって立ち上がり



『あ、電気だけ切っといてな』



そう言い残して食堂を去っていった



沖田
「こ、近藤さん…俺たちはついてくだけですよね…」



近藤
「そ、そうだよ…!ついてくだけだ…」



コソコソと話す2人



そして嬉しそうに口角をあげる土方



沖田
「ニヤニヤしてんじゃねぇ!土方ぁぁ!!」




____________________





キャラの設定などはこっちに移しました。


たまに雑談もあるかもしれないのでお気に入り登録お願いします。



そのうち他の小説のオリキャラちゃん達も載せるかもしれないですがよろしくお願いいたします。

プリ小説オーディオドラマ