第7話

一升瓶は1.8Lって学校で習わなかった?
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2021/04/12 15:00
帰り道




繁華街を通り屯所へと向かう



パチンコ店の前を通ると憔悴し切った男が出てきた



山崎「あれ、旦那ぁ!」



「んぁ?あぁ…ジミーくん」



山崎「こんな昼間にパチンコですか?」



「そうなんだよアイツらが給料給料うるせぇしババァも家賃払えってうるさいもんだから有り金を増やそうとしたら案の定負けてさ今日の晩飯の分もねぇよ…」



山崎
「あらら…」



「ってか、ジミーくんはそんなに荷物もってどうしたの」



山崎
「スーパーに買い出しです」



「へぇ…っ!」



山崎の答えに相槌を打つと後ろにいたあなたを見て目を見開く



「え、おまっ…!」



『は…あ、銀…ちゃん…?』



「お前…あなただよな?」



『おん』



銀時
「お前父ちゃんと定食屋やってたんじゃねぇのかよ」



『ま、まぁ…色々あってな』



山崎
「あれおふたり知り合いだったんですか?」



銀時
「まぁそんなもんだよ」



『…つーか、話聞いてりゃパチンコで金を増やそうなんて甘ったるい考えしとるんやなあんた』



銀時
「ウグッ…」



『そんなもん仕事しやええやろ』



銀時
「そんな事言われても仕事来ねぇんだよ」



『はぁ?そりゃ待ってるだけじゃ来やんわさ』



銀時
「…ハイソウデスネ」



『なぜにカタコト』



すると遠くから銀時を探す声が聞こえてくる



「銀さーん!」



「銀ちゃんどこほっつき歩いてるアルかぁ!!」



銀時
「アッ…」



背を向け逃げようとする銀時のかかとを踏みつけ



こけさせて馬乗りになる



『銀ちゃんならここにおんでぇ!』



「あ!銀ちゃん!!」



あなたの声に気がついた2人がかけてくる



「銀さん!いい加減にしてください!」



「今まで何してたネ!!」



銀時
「いやぁ…ハハ…」



『パチンコで金を大きくしようとしてたらしいけど負けたってさ』



「はあぁぁぁ!!??ふざけるんじゃねぇヨ!!」



そう言って銀時の頭を踏みつける女の子


銀時
「痛い…痛いよぉ神楽ちゃぁんっ!」



「はぁ…またですか…」



その様子を見ながらため息を漏らす眼鏡の男の子



『また…?』



「毎回毎回お金が無くなるとそうやって増やそうとするんです
いい加減辞めろって言ってるんですけどね」



『へぇ…』



「…って!どこの人か分からない人に何話してるんだ!」



『ええよええようちはこいつの事知っとるさかい』



「え?」



『こいつの昔の友人の緒方あなたや』



「あ!僕は志村新八です!でそこの女の子が神楽ちゃんです」



『新八くんと神楽ちゃんはこいつとどういう関係なん?』



新八
「一応仕事の上司です」



神楽
「でも給料くれないネ!何もしないネ!家賃も払わないネ!」



『飛んだクソ上司やなぁ』



銀時
「あの…あなたさん?いつまで乗ってるの?ていうか太った?」



『あ"?』



神楽に踏みつけられボロボロの顔をあげて生意気な口を叩く銀時を、手に抱えていた一升瓶で押さえつける



銀時
「グッ…」



山崎
「旦那ぁ!?」



『ザキくんもうええよそいつはそのまま埋めとこに』

『新八くん、神楽ちゃん。こいつ今晩の夕飯の金も無い言うとったでうちで食ってくか?』



神楽
「はぁ…?夕飯の金も無いってどういう事ネ」



新八
「え、でも…うちって…」



山崎
「あなたさんは今日から真選組の女中として働いてくださることになったんだ」



新八
「へぇ…でも良いんですか?」



『うちは別にええよ。なっ!』



山崎
「まぁ局長達に聞けば大丈夫だと思います」



『じゃっ!決まりな!』



銀時
「やっほぅタダ飯タダ飯ぃ」



『てめぇは一生埋まってろ』




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