西郷
「その後あたしは戦場を抜けて来たんだけど"摂津の鬼神"は死んだっていう噂を聞いて悪い事しちまったんじゃないかって思ったの…」
『西郷さんは悪くなんかあらへんで
実際 濶兄ぃは死んでまった…
せやけど息を引き取る時うちの顔みて笑っとったんや
"ありがとう"って言うてな…』
『何に対してのありがとうなんかは知らん
やけど 濶兄ぃもきっと後悔はしとらんと思う』
『うちも西郷さんと一緒にみんなの方に行けて後悔なんか微塵もあらへん』
『こうやって銀ちゃんや小太ちゃん
そして西郷さんにもまた会えたんや』
西郷
「お嬢ちゃん…」
銀時
「そうさねぇ
あの時美味い飯が食えたのもあなたがあなたの家族があの場に居たからだ」
『良く言うわ
あれ食いたいこれ食いたいパフェ食いたい言うて騒いどったんはどこのどいつや』
西郷
「あなた達仲が良いのねェ」
『それはないです』
西郷
「そんな事言っといてパー子の頭いじってるのは誰かしら?」
『っ!これはっ!』
銀時
「お前酒飲むと俺の頭いじくり出すよな昔っから」
あなたの前にはお茶代わりに出された焼酎と銀時の頭があった
いじくりまわされている銀時本人は何事もないような表情をしていた
『そんな事ないわ!』
西郷
「お嬢ちゃん、手止まってないわよ?」
『そんな事言うたって銀ちゃんの頭気持ちええんやもん』
銀時
「おいっやめろ!俺のせっかくのセットが!」
『セットて…笑』
西郷
「…パー子 もう上がっていいわよ」
銀時
「え、俺に用があったんじゃねぇの?」
西郷
「この前のテレビニュース見てねお嬢ちゃんの事聞こうと思ってたのよ
だからもういいわ」
銀時
「なんだよ」
西郷
「パー子 お嬢ちゃんを送ってあげなさい」
銀時
「あ?めんどくせぇよ…」
「っ!いだだだだだだ!!」
『何がめんどくさいや買い出し手伝えや』
銀時
「わかった!わかったから髪の毛引っ張るのやめよ?ね?」
西郷
「そういえばお嬢ちゃんって今はどこに住んでるのかしら
ここから近いのよね」
『今は真選組の女中やってます』
西郷
「まぁそんな所にいて大丈夫なのかい?」
『それなりに騙し騙しやっとる感じです』
西郷
「まあ元気にやりなさいよ」
「あたし達はいつでもあなた達家族の味方だからね」
『うん!ありがとう!"ママ"』
西郷
「!」
笑顔で去っていくあなたを見て自然と笑顔になる西郷
だがその背中を見つめる西郷の顔は寂しそうな表情をしていた
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50話記念でコメント頂いた質問に答えます!
まぁひとつしかないんですけどね…(^^;;
はいドンッ!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。