第6話

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2018/02/01 02:00

玲於Side
「あなた、先寝てて。」
あなたが寝てるうちに、見てないうちにこの家にある俺の物全部持って行こう。
あなたが俺のこと全て綺麗に忘れて、俺の何倍もかっこよくて、良い奴と幸せになれるように。
自分の物片付けてたら…
畜生、なんでこんなに思い出詰まってんだよ。
夢者修行の時から"佐野玲於"って書いてるタオル持って、前の方で応援してくれてる子がいた。しかもどタイプだった。美人だったのもそうだけど、何か他のファンの子と違う気がして。すんごい俺のこと好きなんだろうなって伝わるのに、どこか冷静で。ハイタッチの時に握手と一緒に連絡先書いた紙渡したら、パニックになったりもせず、泣いたりもせず。思った通りのリアクションで安心した。そこから連絡取り合って、それで今の関係で。
どんなに疲れても、怒ってても、辛くてもあなたがいたから、笑顔だったから乗り越えれた。
なのにこんなに簡単に別れなきゃいけないなんて。
俺、最低だな。

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