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第1話

#1
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2018/09/25 07:04
八月中旬の昼下がり、俺は自分の布団を抱えてベランダに出た。

こんなにいい天気なのだから、布団を干したら今日はふかふかの布団で寝れるだろう。

ウキウキしながら俺は自分の布団を干す。


「あ、そうだ」


せっかくならじんたんの布団も干してやろう。

俺はじんたんの部屋に入り、布団を引っ張りだした。


「よいしょ」


そのとき、ボトッと何かが倒れる音がした。


「あ」


やってしまった、と最初に頭に浮かんできたこの言葉。

赤黒い液体が、じわじわと布団に染み込む。

枕元に、コーラのボトルがあったのを気付かなかったのだ。


「まじか…」


俺は思わず頭を抱えた。

いやそもそもなぜ蓋をしてなかったのか、炭酸抜けちゃうじゃん。

閉め忘れた?それならじんたん、残念だけどかなりの馬鹿だ。

なにがともあれ、とにかく布団にコーラをこぼしてしまったことを謝りに行かねば。

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