私は今、バレー部が居る体育館の扉の前にいる
扉は開いていて
若利が先に入ってみんなを集めている
とりあえず私は
皆から見えないように隠れて、呼ばれるのを待つ
ドクドクと鳴り止まない鼓動
ジャージの上から胸を押さえる
このままじゃ心臓が弾けそう
ヤバいやっぱ帰ってもいいかな
いやでもそんなことしたら後が怖い
若利恨むぞクソが
帰ったら絶対タピオカ奢らせる
そうだ、顔を出来るだけ見られないようにしないと
ポケットに忍ばせておいた持ち運びに便利なサイズの鏡を取り出して
伸ばしきった前髪を目元に寄せる
いかにも漫画にいる陰キャ女子って感じ
そうこうしているうちに
ついに名前を呼ばれ、鼓動がさらに早まる
恐る恐る体育館内に入る
目の前には背の高い男子が興味津々で私を見る
視線が痛すぎる
大丈夫かな 日本語あってるかな
噛んでないかな ちゃんと伝わったかな
ヤバいもう十分でしょ帰りたい時間よ
はよ進め
うっわ…… 予想通りみんな背たっか
何食ったらそうなるんだろ
ていうか今の中に
若利の邪魔したら殺すぞとか言っている人いなかった??((
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。