第44話

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2019/07/08 07:45
家━━━━━━━━━━━━━━━
るぅとside━━━━━━━━━━━━━━━
莉犬
莉犬
しぇ…っ…ん…ぱぁ…い
莉犬はあなたお姉ちゃんが出ていってから
ひたすら泣きじゃくっている
莉犬
莉犬
ふぇ…っ…
バンッ
るぅと
るぅと
Σ(OωO )
ころん
ころん
あなた…っ
ころん先輩には珍しく取り乱している
ころん
ころん
もぉっ…!
はあっ…
大きなため息をついているのはさと兄だ
さとみ
さとみ
俺、どうすれば良かったんだろうな…
そして莉犬の背中をひたすらさすっているのは
ななもり先輩だ
ななもり
ななもり
莉犬くん…?
あなたは絶対戻ってくるから、ね?
ジェル
ジェル
ななもりの言う通りだ!!
るぅと
るぅと
Σ(OωO )
なんかもう心臓に悪いですよ…
でも
るぅと
るぅと
僕もそう思います…っ
お姉ちゃんは絶対帰ってくる!!
あの時みたいに!!
回想━━━━━━━━━━━━━━━
父
もう君にはこりごりだ!!
出て行ってやるよ!
母
ああそうなの!
目障りよ!早く出ていって!!
これは…まだ親がいた頃だ
父はお姉ちゃんの父で母は僕達の母だった
バタンっ
あなた

おとう…さん…?

母
あなた?
あんたのお父さんはもう帰ってこないわよ
あなたはきっとお父さんが出ていった悲しみよりもお父さんが「自分をおいて」出ていったことへの悲しみの方が大きいだろう
あなた

お父さんっ!!!

さとみ
さとみ
あなたちゃん!!??
あなたお姉ちゃんは逃げ出した
当時小3と小2と小1だ。
取り乱すのも仕方ないだろう
母もパチンコで遊び回り、
男とすぐねるような女だった
母
んじゃ、遊びに行ってくんね〜
るぅと
るぅと
お母さんいってらっしゃい
母
お母「様」いってらっしゃい「ませ」でしょ?
お母さんは僕の頭を叩く
バシッ
母
何よその目は!
んじゃ、いってきまーす
さとみ
さとみ
いってらっしゃいませ
母
あ。1ヶ月は戻らないから
バタン
扉が静かに閉まる
るぅと
るぅと
さと兄…っ
るぅと
るぅと
あなたちゃんが…
さとみ
さとみ
分かってるよ
さとみ
さとみ
あ。るぅと、
俺は宣言するぜ?
さとみ
さとみ
この1ヶ月で俺達の生活はいいように一変する…ってな
さと兄はそう言い残すとリビングを掃除し始めた
僕には何もわからなかった
ただただ、あなたちゃんが心配だった

僕はふと思った
これって、本当に家族愛なのだろうか
これも僕には分からなかった
三日後━━━━━━━━━━━━━━━
僕達は内緒で母の通帳から生活費を出していた
るぅと
るぅと
さと兄料理上手いね
さとみ
さとみ
だろ?小三にしては‪w
さと兄は僕と違ってずいぶん余裕そうだった
二日後━━━━━━━━━━━━━━━
学校から帰るとさと兄の姿がなかった
机に
さとみ
さとみ
ちょっと出かけまーす
るぅとのことだから心ぱいすると思うけどだいじょうぶだからな?

ps.7時過ぎてからかえるかも
ご飯はれいぞうこだよ
というメモがあった
これ以上…僕を1人にしないで…
るぅと
るぅと
さっ…とぉ…にぃ…っ…
僕はさと兄が片付けた綺麗なリビングで
一人泣きじゃくっていた
すると、
•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
スマホの着信音が聞こえた
母は…いやあの女はスマホも忘れたのか…
画面を見ると知らない男性からのものだった
しばらく無視していると通話は切れた
るぅと
るぅと
僕はスマホのパスワードを入れてみる
適当だったがすぐ開いた
そして「自殺」と検索した
すると、
「死にたい時に聴きたい曲」という記事があった

思わず僕はその記事を開く
るぅと
るぅと
ぼーか…ろいど?
再生
スマホ
ぐるぐるりって渦巻いた 
罵声 多勢 無勢になって
スマホ
ぐちゃぐちゃ言って汚してく 
ぱっぱっぱーのぱっぱっぱぱ
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
スマホ
お望み通りのヒトリキリ

つよがって つよがって 
つよがっちゃって痛いんだ

接する度に チクチクと痺れる指先 
スマホ
触れたくて 触れたくて 
触れたくたって触れられない

弱虫毛虫の僕には 資格も○(まる)も
ない ない ない
🎼.•*¨*•.¸¸♬🎶•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
スマホ
生きたくて 生きたくて 
生きたくたって息できない

涙もマヒした僕には 
居場所も何もない ない ない
僕の目からは涙が零れていた
これが僕とVOCALOID(ボカロ)との出会いだった
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