さちの家━━━━━━━━━━━━━━━
私は目を覚ますと辺りを見回す
ここ…どこだっけ?
そして思い出した
私捕まったんだ!!
早く逃げなきゃ…
そして立ち上がろうとすると、
ミシッ
??
なんの音かと思って視線を移すとそこにはロープがあった
そしてそのロープの先には私の手があった
私は…縄に繋がれているようだ
正確には縛られてる…と言えばいいのだろうか
逃げなきゃ…
すると
ガチャ
昔の…お母さんのようだ…
イヤダコワイ怖い嫌コワイ嫌嫌嫌イヤダ怖いコワイ
頭が痛い…
さち…さん?
誰か…助けて…
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ころんside━━━━━━━━━━━━━━━
あれから1時間程たっただろうか…
あなたはまだ帰ってこない
皆俯いていて、何も話さない
ボクも黙っていた
助けたい。会いたい…けど
ボクは何も出来なかった
しかしこれでいいのだろうか…
あなた…あなたは…
そんな人だっただろうか…
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ボクは弱かった
大人しい性格だったので男の子と遊ぶよりも女の子と遊ぶ方が多かった
でも、
そのせいで女の子達からも少し距離を置かれていた
その中でたった1人
ボクと仲良くしてくれた女の子がいた
それがあなただった
彼女はボクがどんなに不機嫌で
ツンツンしていた時もずっとそばにいてくれた
ある日
と聞いてみたことがあった
するとあなたは少しだけ微笑んで
と言った
ボクはもっと聞きたくて
と聞いてみた
するとあなたは肩をすくめて
と答えた
その時、ボクは泣き出してしまった
ボクのことを批判する人のみの世界だと思ってた
けど、ボクのことを理解してくれる人がいて…
すっごく幸せだった
その幸せは長く続かないのだけれど…
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。