第2話

初めて異性に名前を呼ばれて
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2018/11/30 18:53
父親
父親
君の彼の部屋はあなたの隣だ。今からあなたに案内してもらいなさい。
◯◯
◯◯
え 、なんで私が…っ
父親
父親
あなた。
◯◯
◯◯
……はい。分かったわ、パパ

それから社長室を出て、無言で後をついてくるユンギを部屋まで案内した。
◯◯
◯◯
この廊下を真っ直ぐ行けば私の部屋の隣にユンギの部屋があるから
ユンギ
ユンギ
ん。

さっきまでの威勢は何処にいったのやら、大人しく私について歩くユンギに、他にもお風呂場や朝食、夕食会場の場所を教えてまわった。

ユンギ
ユンギ
……なんで俺を選んだ


部屋に備え付けられているベッドに腰を下ろしたユンギが私にそう尋ねる。
◯◯
◯◯
私じゃなくて、パパが選んだの。ユンギは優秀な人だって

それに私の方こそ逆に聞きたいくらいだ。

何故、パパはまだ高校生のユンギを優秀だと言って選んだのか。
◯◯
◯◯
…何か習ってたり?
ユンギ
ユンギ
射撃手。
◯◯
◯◯
え、

息を吐く用に返ってきた答えが予想を遥かに上回って驚いた。
何故なら、射撃手は国内で選抜された10名までと決まっているから。
◯◯
◯◯
てことは、今までもこういう仕事してきたり…
ユンギ
ユンギ
ああ。
俺はこの手で何人もの命を殺めてきた

人を殺したって言うのに、ユンギの表情は至って平然で。色の無い漆黒の瞳を据わせて、淡々と話をするこの男はかなり冷酷だ。

◯◯
◯◯
何でそんなこと…
ユンギ
ユンギ
金が必要なんだよ



″金が必要″

そんな身勝手な理由だけで人の命を殺められるなんて、私には到底理解出来なかった。

ユンギ
ユンギ
てか、人の事に首突っ込んでねぇでお前はさっさと寝ろ
◯◯
◯◯
なにその言い方っ…それに私の名前はお前じゃなくてあなたって言うの!



これ以上一緒にいると腹が立って仕方ないからさっさと自分の部屋に戻ろうとベッドに背を向けたその瞬間。



ユンギ
ユンギ
ちゃんと寝ろよ。あなた
◯◯
◯◯
……っ


低く掠れたその声で背後から名前を呼ばれて心臓がドクンと飛び跳ねた。


だって、今まで私の下の名前で呼ぶ人はパパとママ以外いなかったから。


だから余計に変な緊張感を感じた。



◯◯
◯◯
……ありえない



あんな最低最悪な色白男に不意に名前を呼ばれて内心ドキッとしたなんて…絶対認めない!





私はさっさと明日の支度を済ませてふかふかのベッドに潜り込んだ。

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