第32話

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2023/01/10 21:48
マユカ
マユカ
あなたは私のもんやから
そして突然こんなこと言ってきたマユカ。


うそ、何かヤンキー感出てるし。イケメンだし。


マコちゃんはやっぱりビビってるからか

ちょっと怖気付いてるし


マユカの勝ち気な笑みが珍しくて、ちょっとドキッとする。

いや、ちょっとじゃなくて結構。だいぶ。
マコ
マコ
.........うちやって
マコ
マコ
うちやってあなたちゃんのこと
めっっっちゃ好きやけん
いじけてうつむくマコちゃん。
さすがに可哀想で、その背中をさすってあげる。
あなた

......ごめん

私、取り合われるような人間じゃないんだけど。

何かの間違いじゃないかって何度も考えたし

今でも理解出来てない。

2人とも、私のどこが好きなんだろ。
マユカ
マユカ
てことで
マユカ
マユカ
私は2週間学校行かんけど。
あなたも休む?
急にマユカは話題を変えた。
あなた

え、えぇ......授業ついてけなくなるし......

マユカは休み慣れてるかもしれないけど

これでも私は学校では優等生演じちゃってるし。

成績ないと進学困るし。



.......でも、もし私が行ってリクを傷つけちゃったら。



リクの傷をさらに深く抉ってしまったら。



そう思って、返事が出来なくなった。
マコ
マコ
あなたちゃんと会えんくなるの、寂しい
あなた

ええっ.........

また私を惑わせる言葉が出てきてしまって


マコちゃんへの申し訳なさも思い出してしまう。




あー.........どうしよ。



こういう時に決めれないのも私の悪いクセ。

決断力欲しいなぁ.......
マユカ
マユカ
マコちゃんも休めばええやん。
私が悩んでたら、マユカが笑いながらそう言った。


いやマユカは何を勧誘してんの?
マコ
マコ
じゃあうちも休む。
なぜか嬉しそうな表情で、マコちゃんは私を見ながら言った。


何でそうなんのよ。
あなた

.........はいはい、休みます





こうして私は学校を、はじめて丸々2週間休んだ。


その間もリクからの連絡は来なかった。


昼間は勉強の遅れが怖くて机に向かって


たまにマコちゃんとLINEして


夜はバイト帰りのマユカと電話したり。


マユカへの好きは日を重ねるごとに大きくなっていくけど


正直、それ以上にリクを傷つけたことがショックで。


マユカ
マユカ
.......どしたん。
電話してたら、マユカはちょっと落ち着いたトーンに変わって


あなた

ううん、なんでもない

気づかないうちに私の声も暗くなってたみたい。
マユカ
マユカ
そんな声はあなたちゃうで?
マユカ
マユカ
なんか気負ってるやろ。
優しい声に、ちょっと泣きそうになる。
あなた

リクを......傷つけちゃったのが.......

マユカ
マユカ
そっか
マユカ
マユカ
ごめんな、それは私のせいやから
あなた

そんなことない。

マユカ
マユカ
そんなことあるわ。笑
マユカ
マユカ
私が無理言って強引に...........
あなた

マユカの方が気負ってるじゃん。

図星だったのか、マユカはその言葉で黙った。
あなた

今までリクと喧嘩したことなかったから

あなた

ちょっとショックなだけ。

あなた

マユカは??喧嘩したことある?

マユカは少しだけ黙って、それから話し始めた。
マユカ
マユカ
中学まではずっと嫌いやってん。リクのこと。
マユカ
マユカ
その.........私、いじめられてたから
あっさり笑って、辛い過去を語るマユカ。


その笑い声に、涙が含まれてることが何となくわかった。
マユカ
マユカ
リクは明るいし、私の気持ちなんて分からんと思ってて
マユカ
マユカ
でも高校に上がってからは、リクの明るさにずっと救われてきてさ
マユカ
マユカ
リクがいたからあなたとも仲良くなれたし
マユカ
マユカ
.......あかん。
一気に喋って、その後鼻をすするのが聞こえてきた。


私は胸がきゅーっと締め付けられた。

マユカとリクを離してしまった自分が情けなくって

その行動の代償がいかに大きかったかが分かる。
マユカ
マユカ
でも、あなたは悪くないねん。
あなた

え?いやだって、私が.......

マユカ
マユカ
私があなたを好きなのが悪い。
あなた

違う、そんなことない

あなた

......そんなことあるけど

あなた

私もマユカのこと、好きだから

もうこの好きからは逃げない。


リクを傷つけた以上、中途半端なことは出来ない。
マユカ
マユカ
.......嬉しいやんか
電話口でもマユカが照れてるのがわかる。



いつもに増してその声が可愛く聞こえてこっちも嬉しい。
マユカ
マユカ
明後日からは学校普通に行く?
あなた

うん。

あなた

行きたくなくなる前に行っとかないと、
行きたくなくなるじゃん?

マユカ
マユカ
そうやな。
マユカ
マユカ
あなたが行くんならわしも行くわ。
2人してちょっと落ち着いて


ちゃんと行くってお互い念を押して。


このままだったら私たち絶対行きたくなくなるから。
あなた

そろそろ切るね~

そう言ってスマホを耳から離して、
電話を切ろうと画面を見たら
マユカ
マユカ
 待って!!
マユカの声が聞こえたから慌てて耳元に戻す。
マユカ
マユカ
ありがとう、あなた
マユカ
マユカ
……やっぱ好きやわ。
恥ずかしくて嬉しくて、携帯から聞こえてくるその声がくすぐったくて

気づいたら何も言わずに電話を切ってた。

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