第29話

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2022/12/30 15:00
あなた

リマちゃん......

あなた

リクから家電来たんですけど......

リマ
リマ
えっ!?あのリクちゃん!?
お怒りというLINEのあとに、家の固定電話が鳴り出した。



慌てて確認しに行くとそこには『リク』の文字。



まさかと思うけど.........見られてたとかじゃないよね。
リマ
リマ
出てきな!?
リマ
リマ
出ないと逆にヤバそうだし。
たしかに...........


出ても出なくてもやばそうだけど。

どうかこの嫌な予感が外れていますように。
あなた

電話切りますね.......

私はリマちゃんとの電話を切った。


リビングに出て、リクからの電話を取る。
あなた

もしもーし.........

リク
リク
リクやけど
嗚呼..........電話先でもわかる、めちゃくちゃ怒ってる。
リク
リク
今日さ、見とってんけど
心臓が痛くなった。
リク
リク
放課後マユカとおったよな
胸が苦しい。ひどく苦しい。
リク
リク
教室で2人でおったよな
スリーアウト。攻守交替.......などは不可能で


リクから辛くなるほど畳みかけられる。
リク
リク
なんなん?
あなたはリクの気持ち知っててさ
リク
リク
知っててああいうことするん?
リク
リク
2人でリクの気持ちバカにしてるんやろ
予感は的中してた。


私の頭の中は真っ白で


リクへの申し訳ない気持ちばっかりが湧き出てくる。


言いたいことたくさんあるけど、すべてが言語化できなくて何も言えない。
リク
リク
あなたってそんなことする人やったんや
リク
リク
リクの気持ち知ってて隠れてあんなこと。

リク
リク
......思い出したくない。切る
あなた

リク、待って

その声は既に届かなかった。

電話の切られた音が、私の脳に響き渡る。


リマちゃんにそれを報告するのも億劫で


私はその場でへたりこんでしまった。
私は大好きな友達のリクを傷つけてしまったんだ。


マユカが悪いとか、私は何もしてないとか

弁解の言葉が沢山浮かんだけど

その言葉はすべて、脳内で否定されて


後に残ったのは、大量の罪悪感だけ。



リクがマユカを好きだってことも


そのマユカに好きって言われたことも


全ての事実が私に粘っこく絡みついてきて。



もはや私はマユカのこともリクのことも、何も考えられなかった。

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