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第1話

運命
2,245
2022/03/05 09:17
満月が綺麗に見える夜、漆黒色の髪が静かに揺れる











「!!いつの間に侵入者が!全員、直ちに武器を持っ」









男の声を遮るように、グシャッ、といやな音が辺り一面に聞こえた










「な、どういう事だ!?」









いきなり大勢が腹から血を出し倒れ出す故、男は困惑に満ちる













「はぁ、一人侵入者が入っただけで騒がないでください。耳に響く」












1人の女の声がなる

黒髪の綺麗なサラサラヘアーに赤く鋭い不気味な目をし、整いすぎている顔のパーツ、満月の光が反射して、より神秘的に見える











「汚い血ですね。飛ばさないでくださいよ」












血が頬と手にこびり付き、まさに悪魔













「ひっ、や、辞めてくれ!!何でもする!!」








生き残った1人の男はそう叫ぶ


この女の威圧感、絶対的存在感、全てに恐怖心が湧く






こんな空間、耐えられる人間はそう居ないだろう












「ん〜、そうですね。元々私の目的はこの族を消滅させるためではありません。














この族の子供、フョードル・ドストエフスキーを手に入れる為にここに来たのです」













「ッッ!?!?いくら何でもこの“ドストエフスキー家”の神の子はやれん!他のh」















「なら貴方はもう用済みです。私に従わないというなら、生きる意味なんて1ミリもありません。さようなら」














そして男が次の言葉を発する前に、血吹雪が飛び散った















「さぁ、そこにいるのは分かっていますよ」











「!!今まで気づかれたこと無かったのに、、、」











「気配でこんなもの簡単に分かりますよ。これまでの人はどれだけ鈍かったんでしょうね」











「ぼ、ぼくをどうするつもり?」











「ふふっ、そんなの貴方が一番分かってるんでしょう?」










「私がこの縛られた生活から逃してあげる、自由にしてあげるのです。貴方にとっていい案でしょう?」











「そこでは、好きなご飯が食べれる?」











「えぇ」








「そこで好きな時間で眠れる?」












「えぇ」











「そこでは、ぼくのやりたいように生きれる?」












「えぇ、勿論です。さぁ、この手をとってください。そうした瞬間、貴方はもう自由なのです」











そういい女は、細くて白い手をゆっくり伸ばした













「自由、、、、、、、分かった。ぼく、お姉さんに着いてく」











女と同じ赤く濁った目の少年は、面白い玩具を見つけたような、不思議な雰囲気を出していた











「ふふっ、そうこなくっては。では、早速行きましょう。私のお姫様」













女は握られた手を握り返し、跪き手の甲にキスをした
















「これで貴方はもう逃げられませんよ」















これはこの世界にとって最悪を招く第1歩だった









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