父さん 母さん
いままでごめん
膝を震わせ 親指しゃぶる
兄さん 姉さん
それじゃあまたね
さえない靴の
踵潰した
いぇい
目あったサイズで型紙をとる
なんだっていいのさ
かわりになれば
愛されたいと口をこぼした
もっと丈夫なミシンで顔を切り取るのさ
現時点の言葉を
ほら?
聞かせてよ
脳みそ以外もういらないよ
(作者が聞き取る気がありませんでした)←
近未来(作者が聞き取る気がありませんでした)←
明日の構想ほら
聞かせてよ?
縫い目の隙間を埋めておくれ!
もうなにもないよ
何もないよ
引き剥がされて
糸くずの海へと
この細胞も
もう僕いないよ?いないよ?
投げ捨てられて
私の居場所なんかないんだよ!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!