いつも通りに、佐々木摩耶に挨拶をして自分の席にいって荷物をおく。私の席は、窓側の一番後ろ。好ポジションである。
隣の席の大野くんが挨拶をしてきた。私は彼が苦手だ。クラスの女子は彼はカッコいいといつも言っている。でも、私は性格が気に入らない。私の失敗を笑ったり、からかったりしてムカつくからだ。だから、あまり関わりたくないし、教科書とか忘れたらコイツに借りるハメになる。
かたことになってしまった。コイツ相手になると少しかたことになってしまう。
少しかたことになったぐらいで笑うなんて子どもみたいだ。まぁ子どもだが。
摩耶が大野くんに注意をしている。
これもいつものルーティーンだ。もう、めんどいけど、私が止めないと止まらない。
席替えをしたいが、私のクラスの担任がめんどくさがりやなので1度やったからもうやんないと言っている。だから、1年間コイツの隣なのである。
どうか神様。私に普通の学園生活をさせてください!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!