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第1話

君のうた
238
2019/02/01 14:37
君がいなくなって、1年が経ちました。
シルク
元気か?
お前のとこに来るまでさ、


お前のことずーっと考えてたんだよね








ここ一緒に歩いたなぁ、とか



ここで肝試ししたなぁ、とか



ここでドッキリされたなぁ、とか



ここで一緒にダホを驚かせて



笑いあってたなぁ、とか。





俺にあったかい言葉も、思い出も、温もりも


全部くれたのは君だから


まだ君を忘れないでいるよ








忘れたりしたら、ここまで怒りにきそうな気がするよw





あの日、君を失った日から


いない君を探してた


ずっと、探していたんだ


また、笑い会える日が来るかもって思っちゃうから


それが俺らにとって、


ありきたりな日常だったからな











シルク
んで、死んじまったんだよ
シルク
俺、まだ幸せにできてねぇじゃん
シルク
どこいんの?
シルク
そこで俺見て笑ってんの?
シルク
だったら目の前で、俺の隣で
笑ってくれよ
まだ鮮明に覚えてるよ


重ねた手の手から伝わる、君のちいさな鼓動も


その瞬間が、


今になれば、本当に美しく見えてくるんだ
























シルク
うおっ、雨
ポツポツと降り出してくる雨


墓地から上へ続く小径を駆け抜け


屋根のあるバス停へ駆け込んだ


























携帯をいじっていると


いつの間にか空は晴れていて。


綺麗な綺麗な、大きい空だった。


シルク
綺麗だな。
小さな水溜りがキラキラと輝いている























きっとこれからも、


どんだけ辛くても、まだ泣いてしまっても


君以外に新しい人ができたとしても


俺は君を思いだすだろう


君を忘れることはできない


君に一番、恋をしていたから。









君は俺の中で生き続ける


心の中では、絶対に守り抜ける


約束するよ、心に誓って



























らん
きゃー!最悪!濡れちゃった…
バス停にある椅子に駆け込んできた女の子


綺麗で大人っぽい雰囲気の人だ


見ると、ヒールで靴擦れが酷かった


真っ赤に晴れているかかと


表情を歪めている
シルク
大丈夫っすか?
らん
え?
シルク
俺、絆創膏とか持ってるんで、貸しますよ
らん
!!いいんですか!?
シルク
もちろんです!


新しい出会い


また新しい物語が始まっていくのかな


君が言ってるような気がして。


私を忘れて、幸せになって。なんて


カッコつけながら言ってるような気がした





シルク
忘れるわけねぇだろ
らん
ん?
シルク
あ、なんでもないよ










バス停から見える大きな橋


綺麗な七色を描き、橋をかけるその虹は


涙が出そうなぐらい


綺麗だった




















END







なんかめちゃくちゃ💦

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