てこてことじょんぐがと共に歩いていって、えんま様のほこらへ向かう。なぜほこらへ向かっているのか。どうやら今日は悪魔さんの点呼をして、きちんと働いているのかを確認する会議があるらしいのだ。そこにはこの世界にいる悪魔さん全員が行くのだとじょんぐがから聞いた。
th「わ、いっぱいいる!」
jk「ここ並ぶから…隣にいてね」
th「わかったっ」
おれはじょんぐがの隣にぴったりくっついて並ぶ。たくさんの悪魔さんに囲まれて、なんだか緊張してきた。おれが天使だからかじろじろと見られて少し怖いけど、じょんぐがが手を握ってくれてるから安心出来た。
jk「そろそろだから、静かにね」
じょんぐがからそう言われて、こくりと頷いて前を向く。手はずっと繋いだまま。部外者が入り込んでいてなにか言われるかと身構えたがそんなことはなくて、むしろ天使様がいると目を輝かされたくらいだ。
th「じょんぐが、名前呼ばれるの?」
ぐがを見詰めれば少し頷いて、しーっと指を唇に当てて静かにするよう促される。しばらくすると名前を呼ばれた悪魔さん達がゆっくりと席を外していく。じょんぐがも名前を呼ばれると、俺と手を繋いだままほこらを後にした。これだけなのかと問えば、そうだよと返される。
th「ならおれが来る意味なかったㅋㅋ」
jk「あるよ、側にいてほしかったもん」
th「な、なんでそんな恥ずかしいことさらっと言えるの」
おれは顔を隠してじょんぐがより少し前を歩く。するとがばっと後ろから抱きついてきて、照れてるのと生意気に聞いてきた。逃げるようにしてほびひょんのいるほこらに帰れば、くすくすと笑いながら走ってついてきた。後から帰ってきたなむじゅにひょんやゆんぎひょんにおかえりなさいと言ってから、自分の部屋へと戻る。
th「なんでついてくるのさー!」
jk「ふふ、遊びたいからだよ、だめ?」
そう上目遣いで言われれば、断ることなんて出来ない。ぼふっと一緒にベッドに倒れて笑い合うこの一時が、とても楽しかった。ほびひょんはこんなおれ達を許してくれるかな、なんてそんなことを考えながら。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!