ぱたぱたと はたき でタンスやら本棚やらを叩いて 、埃を落とす。するとちゃりんっと音がして、なにやら鍵が上から降ってきた。ちょうどおれが掃除してた辺りだ、なんだろ?
jk「どうしたの……?」
th「んぁ、いや、鍵が落ちてきた、」
ぱたぱたと寄ってきたじょんぐがに鍵を渡すと、こんな鍵見たことないと返されてしまう。そのままじょんぐががじにひょんを呼びに行こうとしたので慌てて阻止して、二人でどこの鍵なのか見つけて開けようと提案した。
jk「それ、楽しそ……ㅋㅋ」
th「でしょ?ㅋ」
ほうきとか雑巾とか、使っていた掃除用具は全て放り捨てて鍵のかかっているなにかを探す。かなり小さい鍵だから、箱みたいなのだと思うんだけどな。廊下ですれ違うひょん達にばれないように、そーっと色々なところを探索してみる。
jk「あ、これ、」
jk「これじゃないっ?」
th「どれどれっ?」
じょんぐがが持つ箱を見てみると、確かに鍵穴のような小さな穴があった。さっき見つけた鍵をそっと差し込んでみると、ぴったりはまってかちゃっと箱が開く。
th「わ、なにこれ……!」
中から出てきたのはこの世界には少し似合わない、きらきらぴかぴかの真っ白な真珠のブレスレット。窓から差し込む光を反射して、きれいに光ってる。
jk「てひょんあ、つけてみてよ」
th「えぇっ、だって、このおうちから出てきたものだし」
th「じょんぐががつけてっ」
そんな言い合いをしていれば、とたとたと奥から聞こえてくる足音。そのままがちゃりと扉が開いて、不思議そうな顔をしたじにひょんが部屋の中へと入ってきた。おれとじょんぐがは証拠隠滅を図ろうとしたけど、時すでに遅し。じにひょんからブレスレットを取り上げられてしまった。
jn「あ、これ……」
jn「お祭りで貰ったやつ」
jn「そうだよね、ゆんぎや」
気がつけばいつの間にかゆんぎひょんも来ていて。どうやらそれは、年に一度開催される地獄界でのお祭りで手に入れたブレスレットだったらしい。おれもそのお祭りに行ってみたいな~なんて、呑気なことを考えていると。
yg「これ、てひょんあにあげるよ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!