プルルルルルルルル プルルルルルルルル
電話の着信音で我にかえった。
色々なことをずっと考えていたら放心状態になっていたらしい。
《着信中》の下には見慣れた“うらたさん”
の文字。
突如としてあの言葉がフラッシュバックし、スマホを手に取る
少し震える指で画面をタップする。
そしてすぐに安心したような焦ったようなうらたさんの声が聞こえてくる。
通話が終わり、大きく息を吐く。
ただただ嫌われてないことがわかり安心していた。
部屋には食べかけのパン、栄養ドリンクの瓶などいろんな物が散乱している
こんな部屋を見たら確実に引かれてしまう
“嫌われたくない"
その言葉だけが脳内を支配していた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。