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第6話

ヤサイ fkr
2,851
2020/01/13 13:07



『野菜のうまさ知らずとは…。』
東京に来て驚いたことは東京タワーやスカイツリーの高さでもなければ、渋谷や原宿の人の多さでもなく、野菜嫌いがいたことだ。


いや、どこにでも野菜嫌いはいると言われるが、私の周りには誰もいない。


なぜなら、私は、野菜農家の娘ですから。

「そんなに東京久し振りだっけ?」
『そんなこと無いですよ』

拓司さんともともと知り合いだったため東京にたまたま来ていたときに彼と出会った。

『拓司さん、会社立ち上げてたとは。
もう、お偉いさんですな~』
「あなたちゃんにそんなこと言われる日が来るなんてなぁ」
なんて拓司さんはニコニコしながら、お店の戸を開けた。
『この前来たときはまだ会社じゃなかったんだもんね』
「そうそう。」
と、頷いて私の話を聞いていたが、誰かを探しているようだった。
「あ、いた。」
と、探し当て、私を引っ張ってその人に向かって歩いて行った。
「福良さん、この子だよ~」
と、前から私のことを知ってるかのように話をする福良さんとかいう人と拓司さん。
『はじめまして?ですよね、』
「うん、はじめましてですね」
とニコニコしながら、
「福良です。よろしくね。」
と言われた。
何が何だかまだ分からない私は1人置いてけぼりになりつつ、なぜこの場に呼ばれたのかを聞こうとしたとき。
「そう、で、何であなたちゃんを呼んだのかというとね、
福良さんが野菜苦手なんだよね~」
と、拓司さんから呼ばれた謎の理由を告げられた。
ん?野菜嫌い?え!?なぜ私呼んだ?
嫌いなら私も嫌いじゃないか。え?
『いやいやいやいや』
「で、克服しようと思ってて」
あ、なるほど?
「で、あなたちゃんの力を借りたいんだよね」
『何をすれば良いですか?』
「あなたちゃんの美味しい料理のレシピを送って欲しい」
あの本か、拓司さんの大切な方なら良いかなぁ
『分かりました
田舎戻ったら送ります』
「じゃあ、L●NE繋がろ?」
『了解です』

このL●NEから更にメンバーさんとお友達になったのはまた別の話。

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