あれから1週間が経った
相変わらず晶がどこにいるのか分からない
あたしはずっと部屋に閉じ籠っていた
ガチャッ
「生きてるか?」
「……慧」
そんなある日、慧があたしの部屋にやって来た
慧は部屋に入ると目の前に座り、真っ直ぐにあたしを見た
その瞳はいつもに増して真剣だった
「どうかしたの?」
「……莉緒、知りたいか?」
「…何を?」
「晶が……アイツがいなくなった本当の理由を」
「!?」
「……口止めされてたが止めた。やっぱり、お前には知っておいてほしい。真実ってやつを…」
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「はっ…はっ……」
あたしはある場所に向かって走っていた
走るのは得意じゃないけど、走らずにはいられなかった
目的の場所にたどり着き、あたしはそのドアを開けた
ガラッ
「はあ……はあ……」
「……莉緒がここに来たってことは知っちゃったんだね」
そこには病院のベットの上で
困った表情を浮かべた晶の姿があった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。