第128話

帰らんといてや!
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2020/07/27 12:18
あなたside

侑さんの後にお風呂に入らせていただけるのはありがたいんだけど、






















着替えどうしよう…




家に帰るつもりだったから何にも持ってきてないよ、



念の為下着は持ってきてたからよかったけど、部屋着とかは持ってきてないし、




治さんに借りるしかないかな。




あなた「あの、治さん…」



治「ん?どないしたん?」



あなた「大変申し訳ないんですけど、部屋着になるものを貸していただけないでしょうか?」



治「そうか、あなたは家に帰るつもりやったもんな。待っとき。」



あなた「ありがとうございます!!」



貸してもらえるみたいでよかった…



ピロンピロン



ピロンピロン



……ん?















お兄ちゃん
おい!あなた!
お兄ちゃん
今すぐ帰ってこい!!
知らない男と同じ家で過ごすなんてお兄ちゃんは認めません!!
いや、今すぐ帰ってこいって言われても新幹線が動いてないんだよ…
あなた
そんなに心配しなくてもみんないい人だから大丈夫だよ。
あなた
それにね!バレーやってるんだって!
あなた
だから大丈夫👍
お兄ちゃん
バレーやってる人はみんないい人だと思うな!!
もうお母さんには連絡したし、お兄ちゃんは無視しないとキリがないや




次は…
大地さん
あなた!?大丈夫なのか??
大地さん
高校生と同じ家はダメだ!!
普段から高校生と同じ家で暮らしてますけど…
あなた
大丈夫ですよ!!
あなた
何かあったら連絡しますから!
大地さん
絶対だぞ?
大地さん
なんなら今からでも電話して話を聞きたいところなんだが…
あなた
い、いや!今からお風呂行かなきゃなので!
寝る前に!私からかけますから!
今から電話なんて何時間説教されるか分かんないよ…



(ガチャ)



治「あなた、これでええか?」



そう言って渡してくれたのはTシャツと短パンだった



私が履いたら短パンじゃなくなる気がするけど…



あなた「はい!!
すみません。わざわざありがとうございます!」



治「気にすんなや。もうそろツムも出てくると思うで。」



(ガチャ!!)



侑「あなたー!すまん待たせたな!」



ほんとに出てきた…笑



あなた「いえ!全然待ってないです!」



治「風呂こっちやで」



あ、案内してくれるのか


━━━━━━━━━━━━━━
~お風呂~

すごい、広いな…



治「手前からシャンプー、リンス、ボディーソープな。」



あなた「分かりました!」



治「風邪ひかんようにゆっくり入り」



優しい!!



けど迷惑をかけるわけにもいかないからできるだけ急ごう。


━━━━━━━━━━━━━━
侑side

やっぱりええなぁあなた



全国大会で見た時は観客席やったからよく見えへんかったけど



あの身長からあんな強烈なスパイクを打つんやもんな



1回でええからトス上げてみたいわ



怪我のせいとはいえ選手として活躍できんなんてもったいないわ



まぁあんだけバレー好きやったらマネージャーとしても活躍しとるんやろうけど



俺らんとこにもあなたみたいなマネージャーが欲しかったわ



いや、あなた "みたい" やのうて













あなた "が" 欲しいなぁ



バレー部のマネージャー希望に来るやつは大体俺らの顔しか見てへんからな



侑「なぁサム」



治「なんや」



侑「俺あなたが欲しいわ」



サムはどう思っとるんやろ



治「ツムにはやらんで」



そうやろな



俺らは昔から欲しいものは大体一緒やったもんな



好きな人まで一緒になるとは思わんかったけど



侑「こっちのセリフやアホサム!!」



プルルルルル


プルルルルル



サムと言い合いしてたら電話がなった



侑「サムか?」



治「ちゃう」



じゃあ誰のや、?



プルルルルル



あ、あなたのか



『西谷先輩📞』



…に、にし、や?



誰やこいつ



あなたの彼氏やったりするんか?



侑「あなたに彼氏とかおると思うか?」



治「知らん。
可愛ええし、料理美味いし、バレー好きだし、おってもおかしくないとは思うけどな」



まぁ、せやろな。



俺もあなたみたいなんが近くにおったらほかっとかんわ。



電話に出て聞いてみた方が早いか?



(ポチッ)



治「は?ツムばかなん?」



侑「もしもし?」



西谷「お、おまお前誰だあ!!」



うっさ!



なんやねん!宮城のやつは電話越しに叫ぶんか!?



侑「あなたを拾ったもんやけど」



西谷「ひ、ひ、拾ったぁ!?」



侑「そんなんはどうでもええんやけど、なんなん?彼氏なん?」



西谷「か、彼氏?俺があなたの彼氏…」



ばか!ありえないこと妄想するな!



…ちゃうみたいやな。



侑「ちゃうならええねん。ほな切るで。」



西谷「あぁ!待て!23時過ぎたらあなたのこと起こすなよ!?」



は?23時?



西谷!!それ言っちゃダメだろ!



よう分からんけどなんかあるっちゅうことか?




侑「約束はしかねるなぁ」



西谷「絶対ダメだからnーーーー」



(ポチッ)



途中で切ってもうた、



まぁええか。



治「23時過ぎたらなんかあるん?」



侑「知らんけどなんかあるんちゃう?」



ダメだって言われたらやりたなるのが人間っちゅうもんやろ



(ガチャ)



あなた「お風呂いただきました〜」



お、出てきた出てきた



って……



侑「なんっでサムの服着てんねん!?」



お風呂から出てきたあなたはサムのTシャツを1枚だけ着とった



治「…俺ズボン渡さへんかった?」



あなた「それが、ズボンどうしても大きいみたいで下がってきちゃって、Tシャツも大きめのサイズだったので大丈夫かなって思いまして!」



確かにサムのTシャツ大きいかもやけどその格好はアカンやろ!



治「彼シャツもええもんやなぁ」



侑「誰が彼氏やねん!
あなた!俺のTシャツのが小さい気がするで持ってくるから俺の着てや!」



治「サイズ一緒やろが!アホツム!」



侑「でも俺の着た方がええんや!」



治「意味わからんわ!今のままでええんや!」



俺が風呂入っとる間にこんなやり取りがあったなんて聞いてない!



侑「じゃあ明日は俺の服着てや!」



あなた「え、明日は新幹線動くと思うので帰ろうかと…」



…そうやった



もともとこの家に来たんも新幹線が動かへんかったからやもんな



でも嫌や!



侑「明日も動かへん!動かへんから明日もこの家おってやー!」



あなた「え、でも…」



治「アホ言っとんなや」



侑「サムはいてほしくないんか!?」



治「いてほしいに決まっとるやろ」



いてほしいんかい!!



侑「お願いや〜!!明日帰らんといてや〜!」



あなたside

明日帰るって伝えたら捨てられた子犬みたいな顔で見つめてきた…



あなた「で、でも!さすがに迷惑になりますし!」



今日初めて会った人の家に2日間もお世話になるなんて…



侑「迷惑ちゃう!全然迷惑ちゃうから!
明日もおってや!」



治「俺もあなたのご飯食いたいわぁ」



……あなた達は本当に高校2年生なのでしょうか?



年上と思えない可愛さ…



私女子だけど負けてるかもしれない。



いや、負けてる。



侑「帰らんとってくれるか…?」



だから、そんな顔で見つめないでください…



あなた「…はい帰りません。」



侑「ほんま!?今言うたからな!?
取り消しとかないからな!!」



治「また美味いもん作ってや〜」



お兄ちゃん、許してくれるかな…


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