第131話

騒がしい朝
4,719
2020/08/10 13:34
あなたside

…おっもい、



体に重さを感じて目を覚ました。



横を見ると、



左側に侑さん、右側に治さんがいた。



改めて見てみると、



ほんとにかっこいい顔立ちをしていた。



しばらく治さんを見つめていると、



治「…そんな見つめんなや、照れるやろ?」



そう言いながら目を開けた。



「あ、おはようございます…」



見つめてるのバレてたのか、



治「おはようさん。腹減ったわ、」



昨日の夜あんなに食べてたのに?



「朝ごはん作りましょうか?」



そう言うと目をキラキラさせて、



治「ええの!?」



ほんとに食べることが好きなんだなぁ。



「はい!」



ベッドから出るために起き上がろうとすると、



侑さんの腕が腰にまわっていて動くことができなかった。



治「ツム離せや」



先に起き上がっていた治さんが侑さんを蹴った。



…大丈夫なのかな?



そのおかげで離れてくれたけど、



侑さんが起きる気配はない。



治「ツムはほかっといて朝飯や!」



朝ごはん作ってる間に起きてくるかな?



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冷蔵庫にある食材で簡単に、



焼き鮭、卵焼き、豚汁、ご飯を用意した。



「簡単なもので申し訳ないです…」



治「めっちゃ美味そうや!食うてええか?」



「はい!」



すごい嬉しそうに食べてくれてる。



治さんはご飯を作ってあげたくなる人だなぁ。



あ、侑さん起こしに行かなきゃ。



(寝室)

…まだ寝てる。



気持ちよさそうに寝てるなぁ。



「侑さん、侑さーん。起きてください。」



そう言いながら侑さんの体を揺する。



侑「…な、んやねん、うっさいわぁ、



お?起きてきたかな?



「侑さん!朝ごはんできてますよ!」



侑「うっさいねん!!!」



…び、っくりした。



侑さん、寝起き悪すぎでしょ。



侑「あなたやったんか!?す、すまんな?
サムかと思うて…ほんますまん!」



「気にしないでください。ほら、朝ごはん冷めちゃいます!」



そう伝えると、「朝飯あるんか!?」と言って寝起きとは思えない動きの速さでリビングへ向かった。



(リビング)

侑さんに遅れてリビングに入ると、



侑「なんでなん!?」



治「なにがやねん。」



2人が言い合いをしていた。



「どうしたんです?」



侑「サムが俺の鮭食ったんや!」



治「焼き魚は温かいうちに食べんとまずなるんや。」



侑「人の食っていい理由にならんやろが!!」



そ、そんなことか…



侑「俺の鮭返せや!!」



「侑さん!すぐに新しいの焼きますから!
他の食べといてください!ね?」



治「もうすぐ家出る時間やで?」



え?家出るって、



「今日何かあるんですか?」



侑「あっかん!北さんに怒られてまう!」



侑さんは叫びながらリビングを出ていった。



北さん?って誰だろ。



治「今日1日部活あるんや。」



あぁ、部活…



「なるほど。」



治「それであなたにお願いがあるんやけど。」



真剣な顔で何を言ってくるかと思うと、



治「お弁当作ってほしいんや。」



お弁当ですか。



「いいですよ!任せてください!
できたら学校までお届けしますか?」



少し考え込んで、



治「そうやな頼むわ。」



そう言うと同時に赤いジャージと白いズボンを手渡してきた。



「えーっと、これは?」



治「稲荷崎のジャージや。私服では校門通れんからな。」



これを着て来いってことね?



「ありがとうございます!」



治「ほなもうそろそろ行くわ。」



「侑さんは一緒じゃなくていいんですか?」



侑さんの朝ごはん用のおにぎりを作りながら聞く。



治「ツムは準備遅いねん。」



それだけ言って部活へ向かった。



その5分後くらいに、



(バン!!)



リビングのドアが思いっきり開いた。



侑「サムは!?」



「もう行きましたよ!」



侑「また先行ったんか!?俺も行くな!」



「あ、侑さん!」



おにぎりが3個ほど入った小さな袋を投げる。



侑「おっ。」



ナイスキャッチです!



「朝ごはん食べてないですもんね!おにぎり作っておきました!」



侑「おおきに!!」



侑さんは嬉しそうな顔で出て行った。



…よし!



お弁当作りますか。


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