第133話

バレー部のジャージ
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2020/08/16 04:19
侑side

あなたが作ってくれたおにぎり美味すぎるわ。



サムに鮭取られたんは腹立ったけど、



あなたがおにぎりくれたで許したる。



角名「侑美味しそうなの食べてるね。」



「やらんぞ!?」



角名「(別に欲しいとか言ってないけど…)」



治「なんでツムだけおにぎりあるん?俺の分は?」



「サムが俺の鮭食ったからやろ!?」



なんなんこいつ、アホなんか?



てか、この時間になっても北さんがおらんて珍しいな。



もうすぐで練習始まるってのに…



「なぁなぁアランくん。」



尾白「どうした?」



「北さんなんでまだ来おへんの?」



尾白「今日は午前中に予定あるらしくて午後からの参加や。」



午前中は北さんおらんのか…



あ"っ!



あなたに弁当お願いするん忘れとった…



っはぁーーー、



今日もコンビニ飯か、

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あなたside

お弁当は完成したけど、



稲荷崎高校への道分かんないです。



治さんが着てこいって言ったジャージは当たり前に大きいし、



長袖で暑いし、



疲れた…



「ここどこなの…」



初めて見る道に戸惑いながらも歩き続けてはいるけど、



高校らしき建物なんて見当たらないよ!



??「何してるん?」



声が聞こえて振り返ると、



私と同じジャージを着てる人がいた。



「あ、あの!稲荷崎高校に行きたいんですけど、道案内とかしてもらったりできませんか?」



??「あんた、稲荷崎ちゃうん?そのジャージはどうしたん?」



「あ、これは人に借りて…」



??「…バレー部のジャージをか?」



え、バレー部?



「これ、バレー部のジャージなんですか?」



??「せやで。そんで、うちは女子マネージャーなんておらんはずなんやけど、」



…私すごい怪しい人になってるよね。



治さん、バレー部のジャージなんて一言も言わなかったのに!



「あ、違くて!これ治さんのなんです!!」



??「…盗んだんか?」



はい!?



盗む?ジャージを!?



「いやいやそんな!治さんが貸してくれたんです!!」



??「…治が?あかん、ますます訳分からんくなってきたわ。とりあえず稲荷崎に行きたいんやな?」



「はい!」



??「案内したる。着いてき。」



優しい人でよかった…



「ありがとうございます!」



同じジャージってことは、この人もバレー部ってことかな?

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??side

用事が予定よりもはよ終わって、



体育館に向かっとると『稲荷崎のバレー部のジャージ』を着とる女の子に会った。



話を聞くと、治のジャージや言うから余計に怪しく思った。



あの女嫌いの治がジャージを貸すとかありえんからな。



体育館着いてから治に詳しく聞けばええから、



とりあえず案内したることにした。

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~稲荷崎高校~

「着いたで。」



あなた「ほんとに助かりました!」



ええ笑顔やな。



「体育館行きたいんやろ?こっちや。」



治のジャージ着て、転ばんように頑張って歩いとるのが可愛ええと思った。



ちょっと、何なんあの子!?北さんと登校とかふざけとるん!?



まずなんであのジャージ着てるん!?



サイズからして宮くんあたりやない?



今日の朝、治くんジャージ着てへんかったで!



周りの女子はこんなんしかおらんからな。



なんでサイズで誰のか分かるん。



怖すぎやろ。



治がジャージ着とらんかったってなんで知っとるん。



この子が何もされんとええけどな…


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侑side

ちょうどお昼休憩に入るって時に体育館の外が騒ぎ始めた。



ほんまうるさいわ。



あなたのこと見習えっちゅうねん。



そんなんより、コンビニ行かなあかんな。



「サム、昼飯買いに行くで」



治「俺は行かへんよ?」



「昼飯どうするん?」



治「もうすぐ来る。」



何言っとるんや?



暑さで頭でもおかしなったんか、



「サムの分買ってきたらんからな!」



体育館の出口に向かおうとした時、



北さんが入ってくるのが見えた。



「北さん!おはようございます!」



北「おはようさん。」



そんでその後ろに、



だいぶ大きいサイズのジャージを着たあなたがおった。



「あなた?何しに来たん?」



あなたは俺に気づいて、



あなた「侑さん!!」



笑顔でこっちに走ってきた。



「おい!アホ!そんな格好で走ったらあかん!」



あなた「うわ、!」



思った通り自分が着とるジャージに引っかかって転びそうになっとる。



(ガシッ)



あなたを支えたんは、



北「大丈夫か?落ち着かなあかんで。」



北さんやった。





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