ゆりなとかなでと友達になってから数日がたった。
か「おかえりー。また告白ですか?」
『う、うん。まぁ』
ゆ「ほんま○○はモテモテやなぁ」
か「で、返事は?」
『そんな、ぜんぜん知らない人だし、断ったよ』
か「またぁ?」
ゆ「まぁまぁ。○○は高嶺の花ってことよ」
『からかわないでよー』
転校してから1ヶ月もたってないのに、
告白はもう3回もされた。
私のどこがいいんだろう···?
藤「○○ー」
『なに?』
藤「理科のノート見してー。寝てて写してないねん」
『えー、なにそれ(笑)はい』
藤「ありがとー。···○○のノートのとり方って、色使わへんのな」
『えっ?!···あー、その方が私は見やすいんだ、』
藤「ふーん···」
『あ、見にくいなら他の人のでも···』
藤「いや、これでいい」
藤井くんは、黙々とノートに写していく。
···授業もそれくらいやればいいのに。
そう思ったけど、心の中に閉まっておいた。
か「○○ー、次体育やから行くでー」
『あ、うん』
ゆ「今日6組と合同なんやってー」
『え、そうなの?』
?「おーい、○○ー!」
移動中、不意に呼ばれた名前に振り向くと__
『え?しげくんと神山くん?!え、2年生だったの···?』
重「あ、そこ?!」
神「まぁたしかに2年とは言うてへんけど···。階も違うし」
重「上履き見ろや、上履き~」
『あ···上履きね···。ごめん、気づかなかった』
神「ま、転校してきたばっかやから仕方ないよ」
そっか、上履き···。学年によって違うのか···。
新しい発見。
藤「何してんの?移動せんの?」
重「いやそれがさ~、○○が俺ら2年やってこと知らんくて(笑)」
神「上履きの色に気づかんかってんって」
藤「···んは、あほやろ(笑)」
『ちょ、藤井くんまで···』
4人集まったところで時間もまだあるからゆっくり移動する。
「あ、虹だ」誰かが言った言葉に、みんなが顔をあげる。
神「ほんまや。うっすらやけど」
藤「さっきまで雨降ってたしな」
重「みんなロマンチックすぎやろ(笑)」
藤「···○○?」
『あっ、きれい、だね···!』
···見えない。
みんなが見えてるはずの虹が、私には、見えない___ 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。