?「···あのさ、○○さんって、藤井くんたちと仲いいの?」
『う、うん、。まぁ···』
?「いつから?」
『昨日···かな』
?「なるほどねぇ、」
私の前にいる女子2人は、考える素振りを見せる。
なにを言われるかはだいたい予想がつく。
私は、ごくっと息を飲んだ。
?「納得やわ」
?「同感」
『へっ?』
予想外の言葉に思わず変な声が出る。
納得って一体···?
?「だって○○さんかわいいし」
『かわ···?』
?「それにええ子そうだし、王子たちが気にかけるのもわかるわー」
ゆ「あ、ごめん急に。私ゆりなっていうの」
か「うちはかなで。○○さんと友達になりたくてさ」
2人は少し照れ笑いを浮かべる。
友達···私と···?
『ほんと?』
か「うん!だから呼び捨てでええよ。私たちのこと」
『じゃあ私も呼び捨てで···』
ゆ「おっけー。よろしくね」
『うん!』
か「ごめんね、引き止めて。お昼行ってきてええよ」
『あ、ごめん。じゃあ···』
ニコニコと2人に見送られながら昨日と同じ、立入禁止の階段へ向かう。
よかった、なにも言われなくて。
それにめっちゃいい子だったし。
···友達、できた。
私は少し心踊らせながら階段へと向かった。
✲
濵「あ、○○ちゃん来たー」
『すみません、遅くなって』
中「ええよええよ」
重「···なんか嬉しそうやない?」
『えっ?!』
小「告白っすか?!」
『そ、そんなわけないでしょ!』
藤「なんかあったん?」
『それが···』
私は、さっきのことをひと通り話した。
神「へー、よかったやんか」
重「めっちゃ嬉しそうに話すやん(笑)」
桐「ちょっと嫉妬なんやけどー(笑)」
『ちょっ、冗談やめてください···!』
濵「かわええなー(笑)」
小「なにおじさんみたいなこと言うてんねん(笑)」
重「いや、もともとおじさんやろ(笑)」
重岡くんの冗談にみんながいっきに笑う。
これから、もっと楽しくなるような気がした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。