第8話

#7
145
2020/06/18 21:00


私は今日もここに来た。



時間まではあと10分ある。


一回荷物を置きに帰ろうかな。



「ただいまー。ちょっとまた空気吸ってくるねー。」


「分かったわ、気をつけなさいよー。」



そういえば、あの少女はどこに住んでいるのだろう。



今まで一度も見かけたことは無い。


何故だ?



この辺は田舎で、近所付き合いも結構あるし、町内の方は大体顔見知り。



けれど……あの子は見たことがない。




最近引っ越してきたなんて噂も聞かないし。




あの少女については疑問がいっぱいだな。





時間は気がつくと15分経過していた。



どうして現れないの?




そう思っていると、ヒョンと少女は現れた。


「ごめんなさいね、遅くなって。」


「あなた……何者?」


急に現れたり、消えたり。


普通の人間じゃないわ。


「そうねぇ……その話はまた今度詳しくさせてもらうわ。
私の望みを叶えてくれたら…ね?」


この少女の望み?


「望みって……あなたの望みって何?」



「復讐…よ。」



復讐?


あ、前にも言ってたような。



「誰に?」



「この人よ。」




これって……








太Tじゃん。



「太田先生になんであなたが復讐を?」



「私は許さないから。」



えっ?



「私はその人に殺されたようなものよ。」





「え、どういうこと?」



「あぁ……ごめんなさい。私としたことが、話す順序を間違えてしまったわ。
まずは、両親の真実よ。」



「う、うん……」



「両親は……あなたの両親は……
交通事故じゃない。」


それは昨日も聞いた。


交通事故じゃないなら、何?








「自殺よ。」








えっ……


自殺?


私の両親が?


なんで?どうして?




「ごめんなさい。私のせいなの。」



「両親が自殺してしまったことと、あなたに何の関係があるの?」



もう……分からないよ。



「混乱させてごめんなさい。ごめん。」




全く理解出来ないよ。



頭に浮かぶのは、"?" ばっかり。



「落ち着いて、全て話すから。」



「うん……」

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