第25話

君と、僕と、ハンカチ
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2019/07/30 23:59
小学生の時、君は1人だった
ころん
ねぇ、莉犬くん……?
みんなと一緒にあそぼうよ!
莉犬
えっ、いいn
クラス女子
ころんくん!校庭で遊ぼ
莉犬
…………
ころん
えっ、じゃあ莉犬くんも一緒n
クラス女子
ほら、いこー!
莉犬
いいよ……僕のことは気にしないで
クラス女子
ほら!こいつもそう言ってるし!
ころん
う……うん。
君は絶対に1人だった。
1人ぼっちは寂しいよね……
よし……
〜授業中〜
ころん
ねぇ、これ、莉犬くんに渡してくれない……?
それは1枚の手紙。
クラス女子
えぇ……まぁ、いいけど……
ころん
ありがとう(* ´ ꒳ `*  )
クラス女子
はい……ころんくんから
莉犬
え……
莉犬
あっ、ありがと……
その手紙には、

『僕と友達になって欲しい』

そう書いた。
莉犬
…………
そしたらすぐに手紙が返ってきた
ころん
『よろしくお願いします』

と、書かれていた
ころん
(良かった……)
そう、思ったのもつかの間……
クラス女子
ねぇ、ころんくん
あいつさ、ころんくんの悪口言ってたよ
ころん
えっ……莉犬くんが……?
クラス女子
うん!
手紙読んだ時ね、
『うわきも。』とか言ってたよ
ころん
うそ……
なんで……莉犬くんが……?

嘘……

嘘だ……あの子が言うはずない……

でも……
ころん
わかった……
クラス女子
だから、あんまり関わらないように
した方がいいかもね!
ころん
うん……
信じていたのに……
莉犬
ねぇ、ころんくん
ころん
(無視)
莉犬
……っえ……
この子が……本当に言ったの……?

こんなにいい子が……

僕はどうしたら……





〜次の日〜
キーンコーンカーンコーン
ころん
あれ……ない……
ハンカチが無い……

あれ刺繍が入ってる大切なやつ……
クラス女子
どうしたの?
ころん
ハンカチ無くしちゃって……
クラス女子
朝外で落としちゃったとか……?
ころん
多分……
でも……今外雨だぞ……しかも雷鳴ってる……
クラス女子
むり……そうだね……
ころん
うん……
クラス女子
明日また探そうよ……
ころん
でも……結構大切な……
クラス女子
でも……今は……
ころん
……
莉犬
……
仕方ない。

そう思っていた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
英語の先生
授業中を始めます
英語の先生
あれ、莉犬さんは?
ころん
(いない……なんで)
ころん
(まさか、僕が冷たい態度取ったから……)
クラス女子
仮病じゃないwww?
クラス女子
確かにーwww
クラス女子
有り得るねwww
ころん
(…………)
仮病なはずない。

だってあの子は、きっと、いい子だもん。

優しい子だよ。

そう思った時……



『ガララッ!!!』
莉犬
お、遅れて……すみません……
ころん
え、莉犬くん……
クラス女子
ちょ、あんたびしょ濡れ……!
英語の先生
どうしてそんなに濡れてるんですか……?!
僕らがみたのは、
髪も服もびしょ濡れになった
今にも倒れそうな
莉犬くんだった。
ころん
え、手に持ってるの……
莉犬
ころちゃ……ハンカチ……
ころん
えっ、?!
クラス女子
?!
英語の先生
とりあえず保健室!
ころん
ぼっ、僕が連れていきます……!
〜保健室〜
ころん
莉犬くん!大丈夫?!
莉犬
う……ん
ころん
なんで……ハンカチ……
莉犬
ころちゃんの…大切なものでしょ……
ころん
っ……
莉犬
それに……昨日態度が変で……僕なんかしちゃったかなって思って……
泣きそうになりながら話した。

ころん
莉犬くんが…グスッ…僕の悪口…を言った……って…言われ……たの…グスッ…女子達に
莉犬
そんなことしてないよ……?
莉犬
僕は、ころちゃんと友達になれて嬉しかった。
ころん
……グスッ……
ころん
ごめんね……グスッ……ごめんね……
ギュ……と抱きしめた。莉犬くんの体は濡れてたけど、少し暖かかった。
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ころん
だから……莉犬くんは僕にとって!大切な親友だから!
莉犬
…………
ころん
ハンカチ……覚えてる……?
莉犬
……!
棚からハンカチを出した。
ころん
刺繍の入ったハンカチ……

今でも思い出だよ
莉犬
…………グスッ
ころん
莉犬くんはね、僕の大切な親友なの。
ころん
僕は莉犬くんを裏切ったのに、
莉犬くんは僕を裏切らなかった。
ころん
それはこのハンカチが証明してる
莉犬
う……グスッん……
ころん
ずーっと、一緒だからね……
莉犬
う……ん……グスッ

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