第15話

秘密
1,800
2018/09/26 12:11


もういいや、



あなたが廉のとこ行くよりかはマシだ。




この際だから、廉にだけは打ち明けよう。






優太にぃ
優太にぃ
多分、あなたも言ってないと思うんだけどな…
廉
なん、や…?
優太にぃ
優太にぃ
こいつが6歳で、俺が11歳の頃な、
わかる通り、俺らの親は亡くなったんだ。
しかも交通事故。事故にあった日は何ともなくて、大丈夫だろうって思ってたんだよな。
けど、母さんの兄のさ、ようちゃんが…なんか、おかしくて…。
そしたら次の日、父さんは再発がなんたらって言って亡くなって、母さんは原因不明だって。


きっとようちゃんはさ、知ってたんだよな。



父さんがもうすぐ死ぬんだって。


母さんは、医師も予想してなかっただろうけど。


俺らが悲しむのわかって、わざっと言わなかったんだ。



だから、あんな顔してたんだよな。


俺には、意味があるんじゃないかって、わかるくらいだったけど。




廉
……あなた、親は海外で働いてるんだって、昔っから言ってて…。
あれ、嘘だったんやぁ…
優太にぃ
優太にぃ
そうなんだ…、まぁ、本人も言うのはキツかっただろうな。
廉
うん…
優太にぃ
優太にぃ
そんでさ、親が死んだってわかった時、もちろん俺も泣いたよ。けどさ、俺よりももっと小さい妹が泣きじゃくって…。
ようちゃんは仕事大変だから、俺しか守れるやつはいないって…。
俺が、あなたの親になってやるって、決めたんだ。
そん時俺反抗期でさ、あなたも嫌がってたわけ。だからそれも無くしたし、告白とか受けても、あなたがいるから、断り続けた。
廉
へぇ…。
優太にぃ
優太にぃ
あなたは、1年くらい?毎日毎日、親思い出しては泣いてって続いて…。
抱き締める度に、俺が守る。俺しかいないって、思ってさ?
優太にぃ
優太にぃ
それと…
あなたの親代わりってだけで、守ってきた訳でもないんだよね。
告白を断ったのも、それだけじゃなくてさ…。
廉
は、?
優太にぃ
優太にぃ
これは、あなたには言ってないんだけど…



俺が守るって決めたんだ。



俺の気持ちは、絶対に潰さないって決めた。




誰にも、渡さないから…。




よし、今しかない。秘密を…



優太にぃ
優太にぃ
俺とあなたは、血が繋がってない。
廉
え………



俺とあなたは、血が繋がってない______




こんな言葉、あなたが望むわけない。


本当は言いたくないけど…



言わない訳には、いかない。




優太にぃ
優太にぃ
あなたが1歳頃?に、あなたの親が離婚して、俺の親と知り合いだったから、預けたんだ。
もちろん、俺も親も大賛成。きっとその記憶はないだろうけど。俺ははっきり覚えてる。5歳差?だかんな。
廉
離婚……って…
優太にぃ
優太にぃ
まぁ、そんで、
あなたはだんだん大きくなってくわけよ。
したらさ、いつの間にか、あなたに恋してて…。
優太にぃ
優太にぃ
血は繋がってないかもしれないけど、俺はあなたの兄だ。だからって気持ちに嘘はつきたくない。
廉もあなたを守ってくれるのはわかってる。けど、…俺じゃなきゃ、駄目なんだ。俺が一生、守るって決めたんだ…。
廉
……
優太にぃ
優太にぃ
ごめんな。けどさ…
もしあなたが廉の事好きなら、考える。
告白をやめろとは言ってないから。
伝えてくるのには、反対しないし。けど、もしあなたがお前の事好きなら、付き合ってもいいかは俺が考える。
廉
ええん!?
俺…優太君、すごいと思った。けど、俺も負けたくない。結果はどうであれ、告白…する。後悔だけはしたくないから。
ありがとう……優太君



ホントは、告白なんかもしてほしくない。



けど…、さすがに俺、自分勝手だわ。






これだけは…許してあげるよ。


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