ガチャ
「あぁ、あなた。優太。」
「ねぇねぇ!お母さん達、いつ退院?」
まだ小さかった私達は、何もわからなかった。
ようちゃんが、少し悲しい顔で、話す姿には、意味があったなんて…
「ん〜いつだろうねぇ。俺もわかんないや」
そこから1日がたち、お見舞いに。
すると…
「ゲホッ、ゲホッ…うぅッ…」
お父さんが、急に苦しくなり始めて…
「え、お父さん!?大丈夫、!?」
「ちょ、あなた!…すいません!先生!」
「え…おい!父さん!しっかりしろよ!」
すぐにお医者さんがきて、
事故で、肺が…なんちゃらこんちゃらって…
再発がなんだかって…
意味が理解できない私は、ただ突っ立っているだけ。
お母さんは無事みたい。
お父さんは…手術。
けど、2人とも、長くは残っていなかった。
お父さんは、手術でも、再発がとめられなく、死亡。
お母さんは、原因がまだわからないみたいだけど、急死。
もう、何もわからなかった。
2人とも、隣で息をひきとって。
「お母さん!お父さん!…やだ、やだよッ…」
「母さんっ!父さんっ!嘘、だろ…?」
「っ……」
私は、ずっと、夜まで泣きじゃくった。
きっと、相当辛くて、今にも泣き出したいだろうお兄ちゃんは、
私をギュッと抱いてくれて。
泣き止むまで、離れることも無く、
優しく、包み込むように抱いてくれた。
その日から、お兄ちゃんは、
私の親としても、面倒を見てくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。