前の話
一覧へ
次の話

第1話

第1話 (350字)
713
2019/12/16 06:08

キシッキシッ
一段上がるごとに軋む、鉄製の階段。
それは今まで使われておらず、ほうって置かれた事を表すかのように錆びて銅色に変色していた。


開けるとギィと音をたてる扉。
これも階段と同様に、錆びて変色していた。
ビル全体が劣化しているのだろう。辺りを見渡しても、とても綺麗と言えるところはない。
誰もこんな所に来ようとは思わないだろう。









私以外は
_花澄@カスミ_
花澄カスミ
おいしょっと
屋上の柵を乗り越える。
辺りは真っ暗で、よく見えない。
でも、ここから落ちてしまえば間違いなく即死だろう。
_花澄@カスミ_
花澄カスミ
ふぅ......
少し息を整えた。
心の準備をするために。



































_花澄@カスミ_
花澄カスミ
さよなら、この馬鹿げた世界
息も凍る、真冬のある日。

私はビルから身を投げた。

プリ小説オーディオドラマ