吐き気は止まらないし、
じっとすることもできない。
神様……………
`
黙り込む先生。
なんだか、嫌な予感がした。
`
1番聞きたくなかった言葉。
私は頭が真っ白になって、
その場に崩れた。
大丈夫なわけない。
だけど私はまだ、実感が湧いてない。
まだ生きてるって心のどこかで思ってる。
受け入れられるかな。
私は、重い足を引きずって、先生についていった
目の前には白い布を被せられたグクくん。
さっきまで一緒に話してたじゃん。
さっきまで、笑ってたじゃん。
さっきまで、、、、
ねぇ、、、、
起きてよ…
冷たいグクくんの手を握れば、
実感は、嫌でも湧いてくる。
私は涙を流した。
止まらなかった。
周りに人がいても、恥ずかしいとか、そんなこと考えられないほど、
苦しくて、辛くて、
さっきまでこの手は温かかったのに。
グクくんの眠った顔を改めて見つめてみる。
その顔は、酷く美しかった。
私は腹を括って、グクくんに別れを告げ、
家に戻った。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。