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>>>>MINHYUKside
「……んん、あ、さ…?って、ヒョンウォナ、起きて」
「……ぅん〜おはよ〜ぉ」
どうやらあの後、俺達は寝てたみたい。
昨日のヒョンウォナの言葉、正直凄くカッコ良かった。
素直に嬉しくなったから素直に身体も反応してしまった。
ヒョンウォナが言ってくれた言葉だから、大丈夫。
「あっ、やっば!もう昼の1時じゃん!」
「えぇ〜もー?」
「ほら!見て!昼ご飯になるけど、どっか行く?」
「え、仕事無かったっけ、今日」
「昨日と今日は休みだよー」
「あ、そっか。んー…そうだなぁ。折角だし、デートだな」
デートって…。久しぶりじゃん。
「えっ、いいの?」
「映画館でいい?ほら、前言ってたさ、あの映画。」
「……いいよっ、」
なんだろ、すっごい照れちゃう。
「あっ。てかお前、薬持って行けよ〜。俺だって久しぶりなんだからさ。ほら。抑えれないもんがあるかもしんねぇし?」
「やめてって、照れるから、」
「っぁ〜〜かわいーなーもー。……ほら、薬飲んでこい」
「う、うん!」
どこのバカップルだよ って思ったけどそれ以上に幸福感が勝った。
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『では〜間もなく〜上映です』
俺達は今、映画館に居る。
席に着いて映画を見る前のドキドキを2人で感じながら、
内心、俺はヒョンウォナの姿にドキドキしながら、
上映を今か今かと待ち侘びていた。
そんな中で鳴ってくれたのは館内アナウンス。
俺達は顔を合わせて " やっときた " とこの瞬間を噛み締めた。
映画の内容はとある男女のしがないラブストーリー。
俺はあの男役をヒョンウォナに当てはめて、
女役を俺に当てはめて映画を観てたよ。
いや、俺ヒョンウォナ好き過ぎな。
そして映画はクライマックス。
男女二人が、画面の中でキスをする。
「っ…んんッ!」
「っ、はぁ。お前が考えてた事くらい分かるわ、ばーか」
ヒョンウォナは、映画の中の男女がキスをする瞬間を見計らって、
俺にキスをしてきた。
痛み止めを飲んでいて正解だった。いや、それ以前に心臓が張り裂けそうな勢いで高鳴った。
………てゆうか、俺が考えてた事って、はぁ?!
「や、やめろよ!!って、どうゆう事だよ!俺の考えてた事ってええ!!」
「るせぇな映画がだろ?」
「あっ…」
ヒョンウォナのせいでしょ。
俺は周りの人にペコペコと頭を下げた。
それを見て笑ってるヒョンウォナ。
本当に頭のおかしなカップルだと思う。
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「ふぅー疲れたァー!でも楽しかったね!」
「おう、そうだな〜」
また行こうね?と俺が次の予約を入れる時に気が付いた。
ヒョンウォナの顔色が悪い。
そういえば帰りの電車でも口数が少なかったような…
疲れたのかな?
「ヒョンウォナ?顔色悪くない?」
「えぇ。そうか?」
「大丈夫?」
「大丈夫だろ、疲れたんだと思うわ」
ヘラヘラ笑って " また行くぞ " って言われたけど
何故か笑えなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。