第5話

俺はバカだ。
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2019/08/21 07:52
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>>>>MINKYUNside

俺はバカだ。







此処は同棲する前に一人暮らししてた家。
何かあった時のために残してあった。

別れを告げて、ヒョンウォナに幸せになってもらって、
これからお互い別の道で、何とか生き延びる作戦を
自分で立てては自分で壊してるじゃん。

ホント何してんだろ。俺。



あの電話の後、またしこりが大きくなった。

きっと、最後のヒョンウォナの捨て台詞、
「待ってて」に愛を感じてしまったのであろう。











「っ、ぅッいたッ………


…………………、あああああぁぁぁッ、!ヒョンウォナのっ、バカァァァッ、っ、あっ、うぅっッ、」


いいや。違う。
これは俺に向けての " バカ " だ。



近付きたくないヒョンウォナとの距離が、
どんどん迫ってゆく。

なのに何故か嬉しい。


まだ未練が残っているからだ。

















ピンポン

















今1番会っては行けない人が来た。


「おい。入るぞ。」


ヒョンウォナが部屋に入ってきた。

俺は何も出来ずに、泣き疲れてしまって、
ひとつの椅子の上で三角座りをして一点を見つめていた。















「お前。大丈夫かよ。」
「……」
「目ぇパンパンじゃん。何がそうさせたんだよ。」
「……………」
「俺達さぁ、昨日まで愛し合ってたじゃん。違う?」
「………………」
「あら。そう?俺が一方的に愛してたか?」
「ぃいいっ!!!」

俺は椅子から崩れ落ちた。
初めて感じた大きな痛み。


「お、おい!大丈夫か!」
「っ、はぁ…はぁ…」
「どこが痛かったの?」

ヒョンウォナが背中に触れようとした。
俺は慌てて、

「やめろ!!!触んな!!!!」





























やってしまった。







「…………ごめん」
「いや、俺の方こそごめんな。入って早々、色んな事質問攻めして…」
「そんな事ない…っ!俺は………バカだよ………」
「……え?」
「実はね、ヒョンウォナとセックスした日から背中の、肩甲骨あたりにしこりみたいなのが出来てたんだ。最初は大きさも気になんなかったし、放ってたんだ。でもね。昨日お風呂に入って、背中流してる時、そのしこりに手が当たってすっごく痛い思いをしたんだ。俺は、そりゃびっくりして鏡を見たら、しこりが大きくなってたんだ。」
「………しこり?」
「そう。心配になって、インターネットで調べたら、
…天使病って出たんだ。」
「天使病…?そ、そんなもんインターネットだろ…?病院いかなきゃ」
「だから今日行ってきた。そしたら、やっぱりそうやって診断されたよ。珍しい病気だって。」
「……だからって、なんであんな変な電話してきたんだよ」
「その病気はね、恋人に愛されたらそのしこりがどんどん大きくなって、やがて翼になるんだ。何によって翼になるかってゆうと、恋人の生命なんだって。だから、……だか、ら………っ、ッヒョンウォナは ッ、おれの、俺のせいでッ…死んっじゃうッ…」

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