🐹💛 side ___
朝目覚ましの音で目が覚めた
うっすら目を開くと少し頭がヅキヅキと痛む
体を起こそうにも体は鉛のように重くて起き上がれない
まぁご飯もあまり食べてなかったし睡眠も疎かだったからこうなることは自業自得だ
だからといって今日の大事な会議を休めない
僕は重い体を起こして顔を洗って着替えて家を出た
会社まではタクシーで向かう
予め呼んでおいて良かったと昨日の自分を褒めた
タクシーに乗るとすぐに眠りについた
次に起きた時にはもう会社に着く頃だった
運転手のおじいさんに代金を支払ってお礼を言ってタクシーを降り会社へ入る
時計を見ると道路が混んでいたのかいつもよりも少し遅めで集合時刻のギリギリだった
エレベーターに乗って35のボタンを押す
扉を開けると大きなエキシビションパネルに僕達のキャラクターが映っている
さとみくんの一声でみんなが一斉に僕の方を向く
莉犬が少し背伸びをして僕の額に小さな手を当てる
莉犬の手はひんやりとしていて気持ちいい
いつの間にかスタッフさんから借りてきた体温計をジェルくんに渡される
ほらほらと言ってころちゃんが脇に体温計を挟んだ
しばらくすると音が鳴って出してみると想像以上の数値が表示されている
そう言われて大人しく体温計をさとみくんに渡す
熱を見るとズシッと体がまた重たく感じて莉犬に促されて近くのソファに腰掛ける
メンバーの言葉に甘えて少しソファで休むことにした
少しすると段々と睡魔が襲ってきて気がつけば夢の中へ意識が遠のいて行った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。