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第1話

偽善者が1人
9,014
2021/02/26 09:31
……なんだここは、ピカピカしてて悪趣味だな

事故にあって死んだと思ったんだが

生きてたのか?てことはここは病院?


まわりの様子を詳細に確認しようと思い体を起こすが
思うように動かせず起きれない


重体で動けないのか…?

仕方ない、誰か呼ぶか
大声をあげれば誰かが気づくだろう
自分
 あぅあーだあ誰かいないのか?
自分
あう?はい?
自分
 あーあーだあ!?!?なんだよこれ!?!?
なんなんだよこの声!?まるで赤ん坊みたいじゃないか!

…まさか妹がよく言っていたトラ転じゃないよな

アハハ、そんなまさか…

怖くなったので何とか腕を動かして見る

見慣れた自分の腕が見えると思ったが、視界に映ったのは褐色肌の小さな手
自分
あうあうぁだぁーだあぅ!?!?!?まじなのかよ俺赤ん坊になったのか!?!?
自分
 だぅあーだぁだあ! なんでよりによって赤ん坊から記憶があるんだ!
あーあぅああだあぁーだ!! 色々されるの恥ずかしすぎるんだが!!
自分が赤ん坊となるという非現実的なことが起き、これから恥ずかしい日々が続くということに対しを思いっきり大声でなげいていると
誰かがすごい勢いでドアを開けた音がする

そして視界には何やらメイドみたいな服を着た女性が
メイド
カリム様、どうかなさいましたか!?
自分
あぅ?誰?
メイド
ああ、良かった。ご無事だった……
(これで私の命は助かったわ…←)
力が抜けたのかメイドの人はへなへなと座り込んだようで自分の視界から消える

なんか焦ったり安心したりで忙しい人だな
メイド
寂しかったのかしら…とりあえず抱っこしておきましょう
その場を立ったようでまた視界に映る

そしてメイドさんは俺を抱えだした

この部屋の全体が見えるようになったのでまわりを観察すると

とても広くてとにかくピカピカしているということは分かった、どうやら俺は金持ちの家に生まれたようだ


不自由はしないみたいだな、ついでに長男とかじゃないと助かるんだが…



あ、そういえばこの人俺の事「カリム」と言っていたな。なるほど、この今の俺の名前はカリムと言うのか


…ん?カリム…?どこかで聞いたことがあるような
アルアジーム父
おい、なにかあったのか!?!?
アルアジーム母
カリムは無事なの!?
どこで聞いたか、と1人思い出していると俺の母親と父親らしき人達が大慌てで部屋に入ってきた

うわぁ、美男美女だ…

これからは敬意を込めて母様と父様と呼ばせて頂こう
メイド
はい、怪我も何もされていないようです。ただ寂しかったのじゃないかと…
いや、違うぞメイドさん

俺今からの数年が恥ずかしすぎるから嘆いてたんだよ
アルアジーム母
あらそうなの…じゃあ私がいつもそばにいてあげるわ(*ˊᵕˋ*)
アルアジーム母
こちらにカリムを渡してもらえる?
メイド
はい、奥様
俺を母様に渡しメイドさんは去っていった

俺はと言うとなれない手つきで抱っこをしている母様をなんか微笑ましく見ていた←目線
アルアジーム母
ふふ、これからは寂しい思いはさせないからねカリム
そう優しく微笑む

小動物感がすごいな←
自分
あうあぅだあーだいや寂しいというわけじゃ
アルアジーム母
見てあなた、嬉しそうよ
アルアジーム父
父さんも来てやるからな、安心しろ
2人はニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべながら俺を見ている

そしてしばらくすると俺をベッドに降ろし
「また明日ね」と母様はキスを、父様は「また来るからな」とお別れの言葉をして戻っていった


なんかすごい誤解をして戻って行ったな

まあ悪い人達ではないし別にいいか




………ただな母様、キスはやめてくれ切実に

恥ずかしくて死にそうだ



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