第16話

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2018/11/05 14:05
黄side



渡部あなたさん

俺らの新しいおかん

ご飯は美味しいし、優しい、それに俺らのことずっと見守ってくれる

前のおかんとは全然ちがう







前のおかんはすぐ殴ってきたりした

ご飯なんてあんまりまともじゃなかった
それで家を出た

おとんは夜遅くに帰ってくる

俺が殴られようとそんなの無視





家を出て行く宛もなく適当に歩いてたら変な男に捕まった

目を開けたら知らない場所

周りには会ったこともない人が俺を冷たい目で見てた

淳太
淳太
・・・・・・だれ?
・・・

俺の問いかけにも何にも反応しない

でもよくよく周りの景色を見ると幼稚園みたいなところだった

俺は少し安心して寝た
淳太
淳太
んっ、・・・ん?
目が覚めると6人の子供が俺を見ていた

それが崇裕、照史、大毅、智洋、流星、望だった

1番年上が俺、1番ここに来るのが遅かった
俺がここに来たのは9歳だった

状況が読めなかった俺に6人は「ここが孤児院やで」って教えてくれた


〝親から解放された〟


そう思って気が楽になった

けど、孤児院の生活は家と同じですごく辛いものだった

お風呂には入れない

ご飯もたまにしか貰えない

外にも出れない

苦痛だった





孤児院に来てから4年がたったとき

「ここから抜け出さへん・・・?」

って声が聞こえた

反応する人は1人もいなかった


なんとか孤児院を出て、スーパーの駐車場とかちょっとしたお店の裏とかで過ごしていた

そんな時に声を掛けてくれたのが俺らの新しいおかんだった

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