第3話

初めて知る事
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2021/02/01 09:54
数日後彼はまたカフェにやってきた。
本渡さないと!
彼が入ってきた瞬間からドキドキがとまらなかった…

彼は忘れ物をしていった事すら忘れているのかいつも通りショーウィンドウの前で立ち止まって吟味しだした。

「プリンとチョコラテトールサイズお願いします。」

「プリンとチョコラテトールサイズですね。980円になります。」

お金を支払って席につこうとする彼に勇気を振り絞って私は話しかけたら。

「あ、あの…この前本の忘れ物をされたと思うのですが」

緊張で少し震えてる手で私は彼に本をさしだした。
彼はその本をみてあっと言う顔になった後少し照れ笑いな表情になった。

「これ僕のですね。ないなーって思ってたんですけどここに忘れていってたんやな…すいません。ありがとうございます!」

彼は本をうけとって深くお辞儀をして先へとむかった。

あーーよかった!ちゃんと渡せて!

今まで注文での会話ぐらいしかしたことなかったので関西訛りだった事を初めてしった。
それに笑った顔かわいかったな…


まだドキドキする心臓を落ち着かせるために深呼吸をした。
今日は彼を知る第一歩になった気がするな。

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