第88話

88.
1,722
2022/11/20 21:47
松田side



あなたと同じように、新人にこの部について説明してたら、いきなり唸り声が聞こえた。
新人に待機命令を出して、唸り声が聞こえた場所に向かうと、信じられない光景が広がっていた。

あなた
そのバカバカしさのせいで、お父さんと
お母さんは...萩は...ッ!
あなたの班に入れられた新人。
その新人が、あなたに殴られ蹴られされている。
松田
あなた!
高倉!落ち着け!













これで状況は間違いないか?
松田
はい
...じゃあ、高倉のところに行ってやれ
松田
...ッス

会議室での状況把握ならぬ聴取が終わると、あなたは
会議室前のベンチで膝を抱えて座っていた。
顔は膝に押し付けていて、その表情は分からない。
松田
落ち着いたか?
あなた
...うん
消え入るようなか細い声。
それなりにあなたと一緒にいるが、こんな状態のあなたは初めて見た。
俺の中のあなたは、いつもバカうるせえ声でバカやって。
松田
それほど大事にはならなそうだぜ
あなた
...なんで?
松田
先に仕掛けてきたのは向こうだ。
警察の名誉侮辱罪って感じかねえ
あなた
...でも私、アイツのことずっと蹴ってた
松田
まあ、そうだけどよ
それ言ったら元も子もねぇだろうよ。
...まぁでも。
松田
ちゃんと反省してるんだな
あなた
...当たり前でしょ
おっ、いつもの調子に戻ってきてるな。



松田
聞かれたくねぇだろうけど...
なんであんなに蹴ってたんだ?
あなた
...“班長は人が簡単に死ぬことを知らないからそんな無責任なこと言える“
...そう言われた瞬間、何も考えられなくなった
は...?
なんだそれ。
あなた
私...人が簡単に死ぬことを知らないなんて、言われたの初めて。
人が死んだ瞬間に、2回も3回も遭遇してるのに
あなた
それでもそんなこと言われると...
何かもう...殺してやりたくなった
松田
お前...
あなた
両親のことも、萩のことも...。
死んだのは自業自得みたいに言われて、
めっちゃ腹が立った。
それで...気付いたら、蹴ってた
あなた
今思えば、最善策はいっぱいあった。
何も...蹴ることだけが、怒りをぶつけられる行動じゃない
松田
それが言えるんなら上出来だろ
あなた
...ふふ、何様だよ
松田
松田だよ
あなた
ぷッ...あはは

やっと、いつものあなたに戻った。
やっぱコイツには、笑った顔が1番だろ。











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