叔父さんの家に戻ると、
もう叔父さんは居なくなっていた。
いや、二日間だから。後一日は居ないのか。
あれだけ嫌いで憎んでたのに今は寂しい
気分になり私はしゃがみ込んで
部屋全体を眺めた。
汚くゴミまみれ部屋は生活感がなく、
何ヵ月も誰も住んでいないような惨状に
なっていた。
私が片付けないと...
そう思ってゴミを手に取るが何故か捨てる
気にはならなかった。
虚しくなってしまう。
幸せの粒が体がなくなってしまう。
嫌だ嫌だ嫌だ..
目を閉じて幸せな事を思い出す。
先輩が教えてくれた優しさ。
二人で一緒に遊んだ時。
とても暑かった夏の記憶。
オリオン座を見つけた時。
先輩と出会った時のこと。
思えば先輩は出会った頃から優しかった。
あまり人がいない踏み切りで私は電車を
見るのが好きだった。
でもある日。
何かに引っ張られていくように足が前に動いて。
その時、先輩が私を引っ張り戻してくれた。
「※▲$%※」
あの時、先輩は何て言ったのだろうか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!